初めての方はカテゴリから説明へどうぞ。
古い小説から最近のまでおいてあります。
古いのはなんだか恥ずかしいのでいつ消すかわかりません。

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タイトルセンスの無さが伺える
手塚変態
えろい
『……、跡部…?』
夕方、いや、もう夜と呼んでいい時間帯かもしれない。暗くなった空の下、青学の正門の前に立っていた人物に手塚は目を丸くした。
『こんな所で何をしている?いつから居た、風邪をひくぞ…』
受験前の一月、遅くまで学校に残って勉強に励んでいた手塚を、跡部は昼過ぎから一人で待っていた。
何度か擦れ違った顔見知りのテニス部達に声をかけられ、或いは冷やかしを浴びたりもしたが、寒い中、一人で待っていたのだ。
あの、跡部が。
若干赤くなってしまっている鼻のあたりまで、深々とマフラーに顔を埋め、憮然とした表情で目の前の男を見つめる。
不機嫌丸出しではあるが、それはいつものことだ、手塚は慣れた様子で口を開く。
『俺を待っていたのか。携帯に連絡を入れればよかっただろう、そうすれば途中で切り上げて…‥っ』
大きく溜め息を吐いてから説教を始めた手塚の唇を跡部がいきなり塞ぐ。
そして離れたその瞬間、冷たい目が手塚のソレを射抜く。やっと跡部の口が開かれた。
『手塚…今すぐ、今すぐにだ…俺を……』
『望み通りにしてやる』
跡部が言い終わるより先にその手を掴んだ手塚が歩きだす。出てきたばかりの校舎の方へと早足に。
着いた先は、懐かしい部室であった。
『何の為に俺が我慢していたか分からないようだな』
『なっ、何言ってやがる!俺様がどんな気持ちで…』
部室のスペアキー。部長の権限としていつでも持っていたそれを、部を引退した今でも手塚は持っていた。
部室の中、冷静に言い放った手塚の手を振り解き、跡部が声をあげる。
昨年の初冬、手塚が跡部に話した。これからは受験に打ち込みたい、お互いに少し距離を置かないか。
もう18の大人であったし、我儘を言って手塚を困らせる気も、少しくらい離れたからといって関係が冷めてしまう不安も無かった跡部は、それを了承した。
何より手塚を信じていた。
『何の為って…、お互いの受験の為、に…』
久しぶりの再会だというのに、あまりに冷静で、冷たくすら感じる手塚の態度に跡部が僅か怯んだ。
手塚と付き合うようになってから、あの跡部もいくらかは丸くなっていた。
が、しかし気に入らないものは気に入らないのだ。答えを聞くより先に身体に触れてきた手を、跡部は思わず叩き落としていた。
『お前に触りたくても我慢して、けどやっぱ我慢できなかったんだ。なのにお前は何ともなさそうで、今だって嬉しくもないみたいに…訳分かんねぇよ…‥』
思い切り叩いてしまった手の甲を擦ってやりながら、弱った様子で跡部が話す。
やはり黙って聞いていた手塚であったが、冬の空気に乾いた唇を舐めると跡部の肩を乱暴に押した。
がたん!と、ロッカーに背中を打った跡部が顔を顰め、しかしそれでもやはり、手塚は表情一つ変えない。
マフラーを抜き取られた首筋にひんやりとした空気が触れ、まとわり付く。
肌寒さにきつく目を閉じた跡部が、次の瞬間それを大きく丸く見開いた。
手塚が力任せに頭上に腕を縛り上げる。コートを着たその上から手首よりやや上の辺りを学校指定のマフラーがぐるぐると縛る。
『て、づか…‥?』
返事をしたのはその口ではなく冷たい目。レンズの奥に鈍く光る瞳だった。
ロッカーと身体の間に挟まれ、間近に見つめられる。跡部の背筋を嫌な感覚が這い上がり、思わず瞳が情けなく揺れる。
『テメェっ…!返事しろよ!俺の話を聞けよ!』
何を言ってもまるで取り合わない。コートの前を開け、ジャケットの前を開け、セーターと一緒にシャツを捲り上げる。
冷たい手が引き締まった腹に触れれば、跡部が小さく身じろく。その手は感触を確かめるように間怠っこしい動きで薄い肌の上を這い回るものだから、跡部はきつく唇を噛んで耐えるだけだ。
『お前の為に我慢していたんだがな…、まぁお前が望むなら、我慢をする必要も無かったか…‥』
手塚が随分久々に口を開いたようにすら感じる。しかし何が言いたいのかまるでわからないと、跡部は噛み締めていた唇を薄く開いて浅く息を繰り返すだけだ。
『ひどくしてしまうには、お前はあまりに細くて、壊れてしまいそうだと感じたんだがな…』
ひどく。その言葉はなんて恐ろしい響きなのだろう。跡部は急に恐怖を感じ手塚を見上げる。
あぁ、それはつい先程の冷たいそれではなかったが、しかし今度は、あまりに、熱い。
『こうすると、犯されているようでいいんじゃないか…?どうだ、跡部…』
後ろから立ったまま突き上げられる。無理な体勢を強いられた跡部は膝を震えさせる。耳元から直接吹き込まれる問い掛けに脳が痺れていく。
『あっ、あ…てづか…て…づか…やめ、ろ……』
上げっぱなしの腕が肩がギシギシと痛む。しかしそれすら掻き消すように腰を揺すられ、跡部は首を振る。
手塚は言った。
お前が痛みに顔を歪める度、苦しそうな顔をする度、それが脳を揺らした、と。
自分にそういった嗜好があるのだと悟った、と。
一時の感覚かもしれない、しばらく触れなければ治まったかもしれない、とも言った。
ひどく抱いてやりたくてたまらなかった、お前を傷付けるのは嫌だった。
そこで話は終わった。
要は手塚は、跡部を痛め付けたい衝動と、傷付けたくはない思いと、ジレンマの渦に巻き込まれていたのだ。
そこで取った行動は、距離を置きこの衝動が止むのを待つことだった。
しかしそれは膨れ上がるばかり、その上跡部を、方向性はまるで違うが傷付けたらしい。
冷たくあたる自分に怒り、傷付いた表情を向ける跡部にすら、ぐっと、脳を揺らされたのなら、この衝動は、いやさもう衝動とかではなくて、やはり自身の嗜好なのだと、気付いた。
『俺はこういう趣味であったらしい。嫌いか?こんな、俺は…‥』
『っの、悪趣味、が…!き、きらい…だ…こんな、あ、お、お前、なんか…』
腰を揺すられ続け、しかし跡部のペニスは手塚にきつく握られて吐精を許されない。
それを離してやる様子も無いまま話す手塚に、揺さぶりにいちいち言葉をぶつ切りにされてしまいながら跡部が返す。
そして泣きながら言うのだ、なんて、美しい。
『けど、あっ、け、けど…お前と…離れてる間の方が…ず、ずっと、辛かっ、た……お、お前、なんか、嫌い、だ…‥!』
嫌い、嫌い。何度も繰り返す跡部に、跡部からは見えない背後で、手塚が笑う。
なんて、可愛らしい。
真っ赤に泣き腫らして、上辺だけで嫌いだと繰り返す。
この恋人を手放すまい、一生可愛がろう、手塚が手を離し、跡部が意識を飛ばす。
恋人達の情事、妙な関係が始まる。
手塚変態
えろい
『……、跡部…?』
夕方、いや、もう夜と呼んでいい時間帯かもしれない。暗くなった空の下、青学の正門の前に立っていた人物に手塚は目を丸くした。
『こんな所で何をしている?いつから居た、風邪をひくぞ…』
受験前の一月、遅くまで学校に残って勉強に励んでいた手塚を、跡部は昼過ぎから一人で待っていた。
何度か擦れ違った顔見知りのテニス部達に声をかけられ、或いは冷やかしを浴びたりもしたが、寒い中、一人で待っていたのだ。
あの、跡部が。
若干赤くなってしまっている鼻のあたりまで、深々とマフラーに顔を埋め、憮然とした表情で目の前の男を見つめる。
不機嫌丸出しではあるが、それはいつものことだ、手塚は慣れた様子で口を開く。
『俺を待っていたのか。携帯に連絡を入れればよかっただろう、そうすれば途中で切り上げて…‥っ』
大きく溜め息を吐いてから説教を始めた手塚の唇を跡部がいきなり塞ぐ。
そして離れたその瞬間、冷たい目が手塚のソレを射抜く。やっと跡部の口が開かれた。
『手塚…今すぐ、今すぐにだ…俺を……』
『望み通りにしてやる』
跡部が言い終わるより先にその手を掴んだ手塚が歩きだす。出てきたばかりの校舎の方へと早足に。
着いた先は、懐かしい部室であった。
『何の為に俺が我慢していたか分からないようだな』
『なっ、何言ってやがる!俺様がどんな気持ちで…』
部室のスペアキー。部長の権限としていつでも持っていたそれを、部を引退した今でも手塚は持っていた。
部室の中、冷静に言い放った手塚の手を振り解き、跡部が声をあげる。
昨年の初冬、手塚が跡部に話した。これからは受験に打ち込みたい、お互いに少し距離を置かないか。
もう18の大人であったし、我儘を言って手塚を困らせる気も、少しくらい離れたからといって関係が冷めてしまう不安も無かった跡部は、それを了承した。
何より手塚を信じていた。
『何の為って…、お互いの受験の為、に…』
久しぶりの再会だというのに、あまりに冷静で、冷たくすら感じる手塚の態度に跡部が僅か怯んだ。
手塚と付き合うようになってから、あの跡部もいくらかは丸くなっていた。
が、しかし気に入らないものは気に入らないのだ。答えを聞くより先に身体に触れてきた手を、跡部は思わず叩き落としていた。
『お前に触りたくても我慢して、けどやっぱ我慢できなかったんだ。なのにお前は何ともなさそうで、今だって嬉しくもないみたいに…訳分かんねぇよ…‥』
思い切り叩いてしまった手の甲を擦ってやりながら、弱った様子で跡部が話す。
やはり黙って聞いていた手塚であったが、冬の空気に乾いた唇を舐めると跡部の肩を乱暴に押した。
がたん!と、ロッカーに背中を打った跡部が顔を顰め、しかしそれでもやはり、手塚は表情一つ変えない。
マフラーを抜き取られた首筋にひんやりとした空気が触れ、まとわり付く。
肌寒さにきつく目を閉じた跡部が、次の瞬間それを大きく丸く見開いた。
手塚が力任せに頭上に腕を縛り上げる。コートを着たその上から手首よりやや上の辺りを学校指定のマフラーがぐるぐると縛る。
『て、づか…‥?』
返事をしたのはその口ではなく冷たい目。レンズの奥に鈍く光る瞳だった。
ロッカーと身体の間に挟まれ、間近に見つめられる。跡部の背筋を嫌な感覚が這い上がり、思わず瞳が情けなく揺れる。
『テメェっ…!返事しろよ!俺の話を聞けよ!』
何を言ってもまるで取り合わない。コートの前を開け、ジャケットの前を開け、セーターと一緒にシャツを捲り上げる。
冷たい手が引き締まった腹に触れれば、跡部が小さく身じろく。その手は感触を確かめるように間怠っこしい動きで薄い肌の上を這い回るものだから、跡部はきつく唇を噛んで耐えるだけだ。
『お前の為に我慢していたんだがな…、まぁお前が望むなら、我慢をする必要も無かったか…‥』
手塚が随分久々に口を開いたようにすら感じる。しかし何が言いたいのかまるでわからないと、跡部は噛み締めていた唇を薄く開いて浅く息を繰り返すだけだ。
『ひどくしてしまうには、お前はあまりに細くて、壊れてしまいそうだと感じたんだがな…』
ひどく。その言葉はなんて恐ろしい響きなのだろう。跡部は急に恐怖を感じ手塚を見上げる。
あぁ、それはつい先程の冷たいそれではなかったが、しかし今度は、あまりに、熱い。
『こうすると、犯されているようでいいんじゃないか…?どうだ、跡部…』
後ろから立ったまま突き上げられる。無理な体勢を強いられた跡部は膝を震えさせる。耳元から直接吹き込まれる問い掛けに脳が痺れていく。
『あっ、あ…てづか…て…づか…やめ、ろ……』
上げっぱなしの腕が肩がギシギシと痛む。しかしそれすら掻き消すように腰を揺すられ、跡部は首を振る。
手塚は言った。
お前が痛みに顔を歪める度、苦しそうな顔をする度、それが脳を揺らした、と。
自分にそういった嗜好があるのだと悟った、と。
一時の感覚かもしれない、しばらく触れなければ治まったかもしれない、とも言った。
ひどく抱いてやりたくてたまらなかった、お前を傷付けるのは嫌だった。
そこで話は終わった。
要は手塚は、跡部を痛め付けたい衝動と、傷付けたくはない思いと、ジレンマの渦に巻き込まれていたのだ。
そこで取った行動は、距離を置きこの衝動が止むのを待つことだった。
しかしそれは膨れ上がるばかり、その上跡部を、方向性はまるで違うが傷付けたらしい。
冷たくあたる自分に怒り、傷付いた表情を向ける跡部にすら、ぐっと、脳を揺らされたのなら、この衝動は、いやさもう衝動とかではなくて、やはり自身の嗜好なのだと、気付いた。
『俺はこういう趣味であったらしい。嫌いか?こんな、俺は…‥』
『っの、悪趣味、が…!き、きらい…だ…こんな、あ、お、お前、なんか…』
腰を揺すられ続け、しかし跡部のペニスは手塚にきつく握られて吐精を許されない。
それを離してやる様子も無いまま話す手塚に、揺さぶりにいちいち言葉をぶつ切りにされてしまいながら跡部が返す。
そして泣きながら言うのだ、なんて、美しい。
『けど、あっ、け、けど…お前と…離れてる間の方が…ず、ずっと、辛かっ、た……お、お前、なんか、嫌い、だ…‥!』
嫌い、嫌い。何度も繰り返す跡部に、跡部からは見えない背後で、手塚が笑う。
なんて、可愛らしい。
真っ赤に泣き腫らして、上辺だけで嫌いだと繰り返す。
この恋人を手放すまい、一生可愛がろう、手塚が手を離し、跡部が意識を飛ばす。
恋人達の情事、妙な関係が始まる。
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タイトルが酷い(笑
手塚がむっつり
『幸せだ…‥』
炬燵にべったりと頬を付けて零す跡部に、手塚は眉間の皺を深くした。
手塚の家は、純和風。
畳の部屋に掘り炬燵。
可愛い可愛い恋人である跡部が、炬燵に入ったことが無いと話したのがきっかけで、この年末、手塚の家でひたすらだらだらと過ごしているのだ。
家に帰れと言ってもまるで聞かずに、跡部は嬉しそうに炬燵に入ったままだ。
そうして、大晦日は、12月31日の夜は過ぎていく。
『お前が何を考えているのか全くわからん』
本日もう既に五つ目になる蜜柑の皮を剥きながら、手塚は低く呟く。
あー、間抜けな声を出しながら口を大きく開けた跡部に気が付くと、む、と、手塚は逆に顔を顰めて、蜜柑を一つ乱暴に跡部の口に突っ込んだ。
炬燵に暖められている所為か、普段白い跡部の顔はほんのり赤い。
黙っていれば可愛らしいのにな、手塚は、じ、とその顔を眺める。
『炬燵で蜜柑の年越し、夢だったんだ…』
蜜柑をゆっくり噛み潰せば、口の中に広がる甘酸っぱい味。
調理や加工をされていない蜜柑を、久しぶりに、本当に久しぶりに口にした跡部は、幸せそうに、甘酸っぱい息を吐き出した。
炬燵に蜜柑の年越し。
絵に描いたようなそれに憧れていたらしい跡部は、絵に描いたようなそれを実現できて、嬉しいらしい。
それはやはり何処か可愛らしくて、その、小さな夢を手助けしてやれたことが、手塚にも嬉しかった。
『跡部…、嬉しいか?』
ふ、と表情に笑みの色を差しながら、手塚が問う。
それに答えずに、跡部はニヤニヤと笑いながら、炬燵の中の足を動かし始めた。
『ッ?!あ、あとべ?』
『これで…、更にお前と年越しの瞬間キスしてられたら幸せだなァー…‥』
炬燵の中で、手塚の股間を足でぐりぐりと刺激する。
跡部は意地の悪い笑みを浮かべながら言う。
手塚は慌てた顔を、すぐに無色に塗り替える。
『うおァッ?!』
妙な声をあげた跡部の体がずるりと炬燵の中に引きずり込まれる。
炬燵の上に伏せていた上半身は、畳の上に仰向けになってしまった。
『ッ、おい、て、手塚…』
手塚の位置からは見えないが、跡部はひどく狼狽えた様子で名前を呼ぶ。
炬燵の中で悪戯を繰り返していた跡部の足は、手塚の手にがっちりと捕えられてしまっていた。
そして今度は逆に、手塚の足が、跡部の股間を悪戯に押していた。
『うぁっ、ちょ、テメェ…いい加減に、し、ろ』
『誘ったのはお前だ』
手塚が、元来表情の変わりづらいそこに僅かに笑みを浮かべながら言い放つ。
そしてぱっと手を離して跡部のもとへ。
仰向けの上半身を引きずり起こして後ろから抱き締めるように座り込む。
二つの体温が混ざり合うのは、どこか心地好い。
『あと20分、か…‥』
壁にかかった時計を眺めて手塚が呟く。
時計の針は、23時40分を回ったところだった。
『20分あれば十分だ』
『何がだよ…?』
問い掛けた跡部は次の瞬間ぎょっとした。
手塚の手がズボンの中に入り込んでくる。
止めようと跡部が手塚の手首を掴むが、跡部は手塚にソコを掴まれる。
力の抜けたのを確信して、背後で手塚が囁いた。
『年越しの瞬間は繋がっていようじゃないか、跡部』
もうすぐ、年が明ける。
手塚がむっつり
『幸せだ…‥』
炬燵にべったりと頬を付けて零す跡部に、手塚は眉間の皺を深くした。
手塚の家は、純和風。
畳の部屋に掘り炬燵。
可愛い可愛い恋人である跡部が、炬燵に入ったことが無いと話したのがきっかけで、この年末、手塚の家でひたすらだらだらと過ごしているのだ。
家に帰れと言ってもまるで聞かずに、跡部は嬉しそうに炬燵に入ったままだ。
そうして、大晦日は、12月31日の夜は過ぎていく。
『お前が何を考えているのか全くわからん』
本日もう既に五つ目になる蜜柑の皮を剥きながら、手塚は低く呟く。
あー、間抜けな声を出しながら口を大きく開けた跡部に気が付くと、む、と、手塚は逆に顔を顰めて、蜜柑を一つ乱暴に跡部の口に突っ込んだ。
炬燵に暖められている所為か、普段白い跡部の顔はほんのり赤い。
黙っていれば可愛らしいのにな、手塚は、じ、とその顔を眺める。
『炬燵で蜜柑の年越し、夢だったんだ…』
蜜柑をゆっくり噛み潰せば、口の中に広がる甘酸っぱい味。
調理や加工をされていない蜜柑を、久しぶりに、本当に久しぶりに口にした跡部は、幸せそうに、甘酸っぱい息を吐き出した。
炬燵に蜜柑の年越し。
絵に描いたようなそれに憧れていたらしい跡部は、絵に描いたようなそれを実現できて、嬉しいらしい。
それはやはり何処か可愛らしくて、その、小さな夢を手助けしてやれたことが、手塚にも嬉しかった。
『跡部…、嬉しいか?』
ふ、と表情に笑みの色を差しながら、手塚が問う。
それに答えずに、跡部はニヤニヤと笑いながら、炬燵の中の足を動かし始めた。
『ッ?!あ、あとべ?』
『これで…、更にお前と年越しの瞬間キスしてられたら幸せだなァー…‥』
炬燵の中で、手塚の股間を足でぐりぐりと刺激する。
跡部は意地の悪い笑みを浮かべながら言う。
手塚は慌てた顔を、すぐに無色に塗り替える。
『うおァッ?!』
妙な声をあげた跡部の体がずるりと炬燵の中に引きずり込まれる。
炬燵の上に伏せていた上半身は、畳の上に仰向けになってしまった。
『ッ、おい、て、手塚…』
手塚の位置からは見えないが、跡部はひどく狼狽えた様子で名前を呼ぶ。
炬燵の中で悪戯を繰り返していた跡部の足は、手塚の手にがっちりと捕えられてしまっていた。
そして今度は逆に、手塚の足が、跡部の股間を悪戯に押していた。
『うぁっ、ちょ、テメェ…いい加減に、し、ろ』
『誘ったのはお前だ』
手塚が、元来表情の変わりづらいそこに僅かに笑みを浮かべながら言い放つ。
そしてぱっと手を離して跡部のもとへ。
仰向けの上半身を引きずり起こして後ろから抱き締めるように座り込む。
二つの体温が混ざり合うのは、どこか心地好い。
『あと20分、か…‥』
壁にかかった時計を眺めて手塚が呟く。
時計の針は、23時40分を回ったところだった。
『20分あれば十分だ』
『何がだよ…?』
問い掛けた跡部は次の瞬間ぎょっとした。
手塚の手がズボンの中に入り込んでくる。
止めようと跡部が手塚の手首を掴むが、跡部は手塚にソコを掴まれる。
力の抜けたのを確信して、背後で手塚が囁いた。
『年越しの瞬間は繋がっていようじゃないか、跡部』
もうすぐ、年が明ける。
跡忍にしか見えないSM忍跡
なんかご奉仕えろ
『言い訳はそれだけか?』
『ごめん、あ、あとべ、ごめんなさい…』
この恋人は誰より愛しく、何より恐ろしく、神より尊く、女神より美しい。
【貴方に賛美歌を】
彼を怒らせてしまった責任は総て自分にあるのだと、忍足は自覚している。
彼の前では彼が正義であり彼が道徳であり彼が条理であり彼が神だ。
神の逆鱗に触れたのだから自分は身を焼かれるような罰を受けるのだろう、忍足は思っていた。
『女の体は柔らかかったか…?俺と違って』
嫉妬する女は面倒であったし、男の嫉妬なんてみっともないものだと思っていたし、今も思っている。
しかし今目の前で、その嫉妬の青い炎を隠すこともせずに眉を寄せる彼は、なんともいえず美しい、恐ろしい。
今は教室の椅子が王座。カタン。カタン。
王座を椅子を揺らしながら彼は忍足を眺める。
よく見れば埃塗れで汚い床、そこに這いつくばる、罪人を眺める。
『お前の好きなのは?』
『……‥跡部』
『お前みたいな奴を愛してやってるのは?』
『…‥跡部』
『お前が怒らせたのは?』
『ッ…、ほんまごめん、謝るから…――うァッ!?』
彼は、生憎言い訳はいらなかったらしい。
思い切り蹴り付けた机が忍足の身体にぶつかる。
痛みを訴える呻き声さえ彼の怒りを膨らませるだけで。
『言い訳はそれだけか?』
『ごめん、あ、あとべ、ごめんなさい…』
口の中が切れたらしい。
忍足が言葉を紡ぐたび開かれる唇の間には鮮明な赤が覗く。
『お前が誰のモノか…しっかり教えてやる…‥』
王座から下りた彼が、跪く忍足の前にしゃがみこむ。
指先で顎の下をくるくると撫でながら口角を吊り上げて笑ってみせる。
この、彼の笑みを構成する曲線が、忍足はなんともいえず好きであった。
見惚れているうちに手を取られる。
導かれた先、彼の股間にその手をあてがえば、そこには確かな熱。
彼は、欲情したらしい。
彼は、跪きひれ伏す忍足の姿に、欲情したらしい。
『跡部…あとべ……』
再び王座に腰を下ろした彼の股間に顔を埋める。
綺麗に笑う彼が見下ろしてくれるから、喜んで奉仕しよう。
取り出したペニスは上を向いていて、その硬い感触を楽しむかのように忍足は頬摺りをする。
彼が自分に欲情してくれる。
それは、それだけで彼を神を汚しているような、犯しているような、それは、なんて素敵な。
『跡部…好き、大好き…』
ペニスを優しく擦りながら、幾度と繰り返す。
そのたびに彼もまた優しい手つきで忍足の髪を撫でる。
彼が撫でてくれる。彼が自分の髪を優しく撫でてくれる。
こんな幸せを受けられるのは、自分が彼にとって特別だからだ、それは勝手な妄想でも幻想でもない、現実だ。
しかしそんな忍足の思考は破滅的だ。
『あ…あァ…、もっと、侑士…ッ、もっと…‥』
王座の上で淫らに腰を揺らす姿は、どうしてこんなにも美しい。
応えるようにスロートを速め、震えだした下半身を撫でる。
さぁ君の甘くて甘い、ちっとも苦くなんてないその精液を喉に叩きつけて!
『う…?!ぇ、あと…べ』
いきなり口内からペニスが引き抜かれる。
忍足は淋しそうな表情で彼を見上げるが、次の瞬間、その視界は白く濁った。
『ははッ…いい顔だ…‥』
顔に飛び散った精液。彼は満足気に笑う。
呆気にとられていた忍足であったが、状況を理解すればすぐにへらりと笑った。
顔中に散った精液を指先で拭い、口に運び、赤い舌を白く汚して、くちゃくちゃと、味わうように、噛み締めるように、だってこれは甘い甘い君の―――。
『あとべ、あとべ、すき…』
縋り付き、泣いているように笑う姿はなんて愛しいの。
彼が、忍足の濡れた顔を撫でる。
『入れたい…‥?』
『入れたい、跡部ん中に入りたい…入って、掻き回したい…跡部…』
君が綺麗に笑って頷いたから、全ての罪が洗い流されるの。
彼が綺麗に笑って頷いた。
それを見た忍足も、綺麗に綺麗に笑ってみせた。
俺の女神に賛美歌を。
貴方に賛美歌を。
なんかご奉仕えろ
『言い訳はそれだけか?』
『ごめん、あ、あとべ、ごめんなさい…』
この恋人は誰より愛しく、何より恐ろしく、神より尊く、女神より美しい。
【貴方に賛美歌を】
彼を怒らせてしまった責任は総て自分にあるのだと、忍足は自覚している。
彼の前では彼が正義であり彼が道徳であり彼が条理であり彼が神だ。
神の逆鱗に触れたのだから自分は身を焼かれるような罰を受けるのだろう、忍足は思っていた。
『女の体は柔らかかったか…?俺と違って』
嫉妬する女は面倒であったし、男の嫉妬なんてみっともないものだと思っていたし、今も思っている。
しかし今目の前で、その嫉妬の青い炎を隠すこともせずに眉を寄せる彼は、なんともいえず美しい、恐ろしい。
今は教室の椅子が王座。カタン。カタン。
王座を椅子を揺らしながら彼は忍足を眺める。
よく見れば埃塗れで汚い床、そこに這いつくばる、罪人を眺める。
『お前の好きなのは?』
『……‥跡部』
『お前みたいな奴を愛してやってるのは?』
『…‥跡部』
『お前が怒らせたのは?』
『ッ…、ほんまごめん、謝るから…――うァッ!?』
彼は、生憎言い訳はいらなかったらしい。
思い切り蹴り付けた机が忍足の身体にぶつかる。
痛みを訴える呻き声さえ彼の怒りを膨らませるだけで。
『言い訳はそれだけか?』
『ごめん、あ、あとべ、ごめんなさい…』
口の中が切れたらしい。
忍足が言葉を紡ぐたび開かれる唇の間には鮮明な赤が覗く。
『お前が誰のモノか…しっかり教えてやる…‥』
王座から下りた彼が、跪く忍足の前にしゃがみこむ。
指先で顎の下をくるくると撫でながら口角を吊り上げて笑ってみせる。
この、彼の笑みを構成する曲線が、忍足はなんともいえず好きであった。
見惚れているうちに手を取られる。
導かれた先、彼の股間にその手をあてがえば、そこには確かな熱。
彼は、欲情したらしい。
彼は、跪きひれ伏す忍足の姿に、欲情したらしい。
『跡部…あとべ……』
再び王座に腰を下ろした彼の股間に顔を埋める。
綺麗に笑う彼が見下ろしてくれるから、喜んで奉仕しよう。
取り出したペニスは上を向いていて、その硬い感触を楽しむかのように忍足は頬摺りをする。
彼が自分に欲情してくれる。
それは、それだけで彼を神を汚しているような、犯しているような、それは、なんて素敵な。
『跡部…好き、大好き…』
ペニスを優しく擦りながら、幾度と繰り返す。
そのたびに彼もまた優しい手つきで忍足の髪を撫でる。
彼が撫でてくれる。彼が自分の髪を優しく撫でてくれる。
こんな幸せを受けられるのは、自分が彼にとって特別だからだ、それは勝手な妄想でも幻想でもない、現実だ。
しかしそんな忍足の思考は破滅的だ。
『あ…あァ…、もっと、侑士…ッ、もっと…‥』
王座の上で淫らに腰を揺らす姿は、どうしてこんなにも美しい。
応えるようにスロートを速め、震えだした下半身を撫でる。
さぁ君の甘くて甘い、ちっとも苦くなんてないその精液を喉に叩きつけて!
『う…?!ぇ、あと…べ』
いきなり口内からペニスが引き抜かれる。
忍足は淋しそうな表情で彼を見上げるが、次の瞬間、その視界は白く濁った。
『ははッ…いい顔だ…‥』
顔に飛び散った精液。彼は満足気に笑う。
呆気にとられていた忍足であったが、状況を理解すればすぐにへらりと笑った。
顔中に散った精液を指先で拭い、口に運び、赤い舌を白く汚して、くちゃくちゃと、味わうように、噛み締めるように、だってこれは甘い甘い君の―――。
『あとべ、あとべ、すき…』
縋り付き、泣いているように笑う姿はなんて愛しいの。
彼が、忍足の濡れた顔を撫でる。
『入れたい…‥?』
『入れたい、跡部ん中に入りたい…入って、掻き回したい…跡部…』
君が綺麗に笑って頷いたから、全ての罪が洗い流されるの。
彼が綺麗に笑って頷いた。
それを見た忍足も、綺麗に綺麗に笑ってみせた。
俺の女神に賛美歌を。
貴方に賛美歌を。
タイトルがなめている(笑
なんかいけないえろ
『ンむ…んッ、はぁ…』
『…いいよ、あァ…‥そうだとても上手だよ侑士…』
この、俺の股間に顔を埋める可愛らしい生き物は、少し前に見つけた不思議な生き物だ。
必死に奉仕をする所為で苦しげに閉じられたあの薄い目蓋の向こうには黒く光る瞳がいる。
あの瞳が、弱々しく俺を見ていたものだから、手を伸ばしてやるほか無かったのだ。
『慈郎、さん…』
『なんだ、舐めてるだけで勃起しちまったの?っとにやらしいな、侑士は…』
あの夜、仕事の帰りに暗い路地で見つけた侑士はひどく弱々しく、消えそうな雰囲気すら醸して、そこに座り込んでいた。
まだ夜は肌寒い四月だというのに、真っ白いTシャツにジーパン、足は裸足という、みすぼらしいというか、異常な格好だった。
見ていられずに連れ帰ったこの生き物は、人間というにはあまりに知能が低い。
わかっていたのは【ユウシ】という名前だけ。侑士という漢字は後から俺がつけた。
歳も、出身地も、家族のことも、何もわからないとたどたどしく話す12、3の少年に、俺は興味を持った。
はじめのうちは大変だった。
眠くなれば寝る、腹が減れば食う、出したくなれば出す。
野生動物のような侑士はあまりに本能に忠実だった。
リビングで小便垂らされた時にはさすがに怒鳴り散らした。
そこで気が付いたのは、侑士が叱られることをひどく恐れていることだ。
ごめんなさい、ごめんなさい、足元にしがみつきながら、泣きながら、やはりたどたどしい口調で何度も謝っていた侑士の姿を、俺はきっと忘れることはないだろう。
まるで犬のような(どちらかといえば猫かもしれない)侑士を、どうして俺がいつまでも家に置いているかといえば、それはやはり犬や猫を飼うような感覚で、しかし相手が人間であるという背徳感がまたたまらなかったのだ。
悪趣味は自覚している。
『ご、ごめんなさい…ユウシ、やらしい子や…悪い子や…』
家では何も着せていない。
丸出しのペニスを必死に隠そうとする姿があまりに可愛らしく、あまりに卑猥で、口元が笑みに歪んだ。
『何度言ってもわからないんだな侑士は…勝手に大きくしちゃァ駄目だろ?』
手を掴み退けさせる。そこを見られるのは恥ずかしいことだと、そのくらいはわかっているらしい、顔が赤く染まっていく。
勃起したペニスのまわりはつるつるに剃ってやった。
あの時剃刀を持つ俺を見て泣きだした侑士にはさすがに驚いた(今思えば可愛い)。
無毛のそこからにょっきりと勃ち上がっているペニスを握り込み、ゆっくりと上下に扱いてやる。
ソファに座る俺の目の前で立つ侑士の足は震えはじめ、ついには俺の肩に両手をついてしまう。
この生き物は非常に快感に弱い。
『あっ、あぅ…じ、じろう、さ…ッ、や、駄目や、て…』
俺が【よし】を言うまでは出してはいけないと躾けた。
だからこうして必死に堪える、唇を噛んで、拳を握って。
性的な躾を、調教をはじめたのは最近だ。
しかし、もしかしたら侑士はもともと性的な玩具にされていて、捨てられたのではないだろうか、俺はそう思っている。
フェラだって上手いし、はじめっから尻の穴でとてもよく感じていたからだ。
それに、セックスの仕方は知っているのに下の管理ができないなんておかしいだろう。
『侑士、尻の穴むずむずするんじゃねェの?なぁ、俺ので擦ってほしいだろ…』
片手でペニスを掴み上げ、片手をその奥のアナルへとむかわせる。
見上げれば必死に頷くその顔が目に入り、あぁ、なんて可愛らしい、俺の目が欲に濡れた。
『ほ、ほしぃ、よ…じろ、さんの…、おちんちんで、ユウシの中、たくさん、擦って、くらさい…』
もともとたどたどしい口調、それが快感にさらに歪められ、上手く口が回っていない。
どうにも可愛らしくて仕方が無い。
軽い身体を抱き上げ、自分の上へおろす。
我慢はせずに、慣らしもしないアナルへ突き立てた。
『―――ヒッ…!あっ、ああぅッ…じろ、さ、い、痛い…』
背に立てられる爪が皮膚に食い込んだ。
侑士は恐がって、爪もなかなか切らせてくれないのだ。
ぼんやり考えながら、それでも快感を求める本能に突き動かされ、俺は腰を揺らした。
ふわふわや、美味しそう。
侑士がそう形容した俺の傷んだ金髪を片手に掴む。
頭皮がひきつるような痛みを訴えたが、快感に掻き消された。
『侑士…ッ、あぁ、イイ…サイコー……』
『あぁン…あ、あ、あ…じろう、さん…じろー、さッ……んンッ、ん…』
難しい言葉を覚えられない侑士でも、俺の名前は覚えた。
馬鹿の一つ覚えみたいに【じろうさん】を繰り返すその小さな口を、塞いでやった。
いつか俺も、侑士を暗い路地に捨てる日が来るだろうか?
そうして誰か知らない男にまた拾われる侑士を想ったら、拾われた男に俺の名前すら覚えていないとたどたどしく言う侑士を想ったら、すごく、イラっとした。
なんかいけないえろ
『ンむ…んッ、はぁ…』
『…いいよ、あァ…‥そうだとても上手だよ侑士…』
この、俺の股間に顔を埋める可愛らしい生き物は、少し前に見つけた不思議な生き物だ。
必死に奉仕をする所為で苦しげに閉じられたあの薄い目蓋の向こうには黒く光る瞳がいる。
あの瞳が、弱々しく俺を見ていたものだから、手を伸ばしてやるほか無かったのだ。
『慈郎、さん…』
『なんだ、舐めてるだけで勃起しちまったの?っとにやらしいな、侑士は…』
あの夜、仕事の帰りに暗い路地で見つけた侑士はひどく弱々しく、消えそうな雰囲気すら醸して、そこに座り込んでいた。
まだ夜は肌寒い四月だというのに、真っ白いTシャツにジーパン、足は裸足という、みすぼらしいというか、異常な格好だった。
見ていられずに連れ帰ったこの生き物は、人間というにはあまりに知能が低い。
わかっていたのは【ユウシ】という名前だけ。侑士という漢字は後から俺がつけた。
歳も、出身地も、家族のことも、何もわからないとたどたどしく話す12、3の少年に、俺は興味を持った。
はじめのうちは大変だった。
眠くなれば寝る、腹が減れば食う、出したくなれば出す。
野生動物のような侑士はあまりに本能に忠実だった。
リビングで小便垂らされた時にはさすがに怒鳴り散らした。
そこで気が付いたのは、侑士が叱られることをひどく恐れていることだ。
ごめんなさい、ごめんなさい、足元にしがみつきながら、泣きながら、やはりたどたどしい口調で何度も謝っていた侑士の姿を、俺はきっと忘れることはないだろう。
まるで犬のような(どちらかといえば猫かもしれない)侑士を、どうして俺がいつまでも家に置いているかといえば、それはやはり犬や猫を飼うような感覚で、しかし相手が人間であるという背徳感がまたたまらなかったのだ。
悪趣味は自覚している。
『ご、ごめんなさい…ユウシ、やらしい子や…悪い子や…』
家では何も着せていない。
丸出しのペニスを必死に隠そうとする姿があまりに可愛らしく、あまりに卑猥で、口元が笑みに歪んだ。
『何度言ってもわからないんだな侑士は…勝手に大きくしちゃァ駄目だろ?』
手を掴み退けさせる。そこを見られるのは恥ずかしいことだと、そのくらいはわかっているらしい、顔が赤く染まっていく。
勃起したペニスのまわりはつるつるに剃ってやった。
あの時剃刀を持つ俺を見て泣きだした侑士にはさすがに驚いた(今思えば可愛い)。
無毛のそこからにょっきりと勃ち上がっているペニスを握り込み、ゆっくりと上下に扱いてやる。
ソファに座る俺の目の前で立つ侑士の足は震えはじめ、ついには俺の肩に両手をついてしまう。
この生き物は非常に快感に弱い。
『あっ、あぅ…じ、じろう、さ…ッ、や、駄目や、て…』
俺が【よし】を言うまでは出してはいけないと躾けた。
だからこうして必死に堪える、唇を噛んで、拳を握って。
性的な躾を、調教をはじめたのは最近だ。
しかし、もしかしたら侑士はもともと性的な玩具にされていて、捨てられたのではないだろうか、俺はそう思っている。
フェラだって上手いし、はじめっから尻の穴でとてもよく感じていたからだ。
それに、セックスの仕方は知っているのに下の管理ができないなんておかしいだろう。
『侑士、尻の穴むずむずするんじゃねェの?なぁ、俺ので擦ってほしいだろ…』
片手でペニスを掴み上げ、片手をその奥のアナルへとむかわせる。
見上げれば必死に頷くその顔が目に入り、あぁ、なんて可愛らしい、俺の目が欲に濡れた。
『ほ、ほしぃ、よ…じろ、さんの…、おちんちんで、ユウシの中、たくさん、擦って、くらさい…』
もともとたどたどしい口調、それが快感にさらに歪められ、上手く口が回っていない。
どうにも可愛らしくて仕方が無い。
軽い身体を抱き上げ、自分の上へおろす。
我慢はせずに、慣らしもしないアナルへ突き立てた。
『―――ヒッ…!あっ、ああぅッ…じろ、さ、い、痛い…』
背に立てられる爪が皮膚に食い込んだ。
侑士は恐がって、爪もなかなか切らせてくれないのだ。
ぼんやり考えながら、それでも快感を求める本能に突き動かされ、俺は腰を揺らした。
ふわふわや、美味しそう。
侑士がそう形容した俺の傷んだ金髪を片手に掴む。
頭皮がひきつるような痛みを訴えたが、快感に掻き消された。
『侑士…ッ、あぁ、イイ…サイコー……』
『あぁン…あ、あ、あ…じろう、さん…じろー、さッ……んンッ、ん…』
難しい言葉を覚えられない侑士でも、俺の名前は覚えた。
馬鹿の一つ覚えみたいに【じろうさん】を繰り返すその小さな口を、塞いでやった。
いつか俺も、侑士を暗い路地に捨てる日が来るだろうか?
そうして誰か知らない男にまた拾われる侑士を想ったら、拾われた男に俺の名前すら覚えていないとたどたどしく言う侑士を想ったら、すごく、イラっとした。
不良慈郎と保険医忍足
えろいしなんかいたい
『せーんせ、絆創膏と湿布ちょーだい。怪我した』
『まァた喧嘩か…‥?』
夕方、さぁ帰ろうかとデスクを片付けていた忍足は、保健室の入り口からの呑気な声を聞いて溜息を吐く。
この困った生徒は最近よく此処にやってくる。
確か名前は芥川だ。
芥川 慈郎。
顔や手足に幾つも擦り傷を作ってやってくる。目は肉食獣、補食者のそれだ。
色素の薄い茶色い眸のまわりは、赤く腫れ上がっている。殴られたのだろう。
『馬鹿に付ける薬はあれへん。いい加減にせんと、停学じゃァ済まないで』
帰り支度をする手が止まってしまっていた。
忍足は再び片付けを始め、不良生徒から目を逸らして話す。
入り口のドアに寄り掛かって説教を聞いていた芥川であったが、それは右から左へ通り抜けていた。
話がわかる生徒なら、教師は一切苦労しないのだ。
芥川はだらしなく引き摺るように歩き、忍足の背後に立つ。再び、口を開く。
『ねぇセンセ、俺、怪我したんだってば。手当てしてよ、仕事だろ?』
芥川の声が地を這う獰猛な色のそれであっても、ここでびびってはいけない。
忍足はなんとかそれを聞き流そうと、この場を回避しようと、必死に自身を落ち着かせようと。
『聞いてんのセンセ、なぁ、アンタこそいい加減にしろよ…忍足センセ』
これだから不良は嫌いだ!
忍足は、つい、デスクを思い切り拳で叩いた。
痛い!悲鳴を上げたデスクはしかし無機物だからよいのだ。痛みは感じない。
だが、生憎忍足は痛みを感じる。
忍足の態度に、切れやすい糸がやはり簡単に切れた芥川は、迷わず手をあげていた。
後頭部の髪を思い切り掴まれ、思わず仰け反る。
頭の皮膚ごと髪が無くなるんじゃないか。
激しい痛みに顔を歪める忍足を、肉食獣の生徒が、唇を舐めながら見つめていた。
『痛っ、はっ、はぁっ…あ…あくたがわ…あっ、う』
『ジローでいいってば先生…、あぁ…いいよその顔…すげぇ、やらしい…‥』
白い真っすぐな天井が歪むのは泣いているからだ。
清潔な保健室のベッド。
情けなく泣き腫らす、自分より一回りも年上の教師相手に生徒は恍惚とした表情すら浮かべてみせる。
結合部からは、赤く、温かい血が流れていた。
『あっ、あぁっ、や、やめ、ろ…痛いっ…、あ、い、いたい、から…!』
擦り切れるほど出入りを繰り返し、芥川は幾度も若い欲を吐き出していたが、忍足はまだ一度も達していなかった。
痛みばかりを伴う繋がりに、そう簡単に快感など見出だせまい。
痛い、痛い、と、泣く、情けない姿に、また、また芥川の雄が膨れ上がり、また、幾度目かの射精をした。
確実に腹を下すだろう。痛みだとか、悔しさだとか、あるいは諦めだとか、やはり情けない顔で、明日の朝か、いや、今夜か、便所に籠もるだろうこの年上の男を想像しただけでも、芥川はイけるほどだ。
そのくらい、愛している。
『先生、ねぇ、痛い?痛い…?もっと見せろ、その顔…見せろよ…』
『あああぁっ!!ひっ、あぁっ、いっ、あっ、あっ』
ぐ、と力をこめ、芥川が忍足の雄を握り締める。
あまりの痛みに忍足はガタガタと身体を揺らし、しかし、漸く射精をした。
悲鳴じみた喘ぎに耳を犯された芥川は、いつのまにか乾いてしまった唇を、下肢を繋げたままで、忍足と重ね合わせる。
『…可愛い可愛い忍足先生…アンタが好き。…なぁ、俺のもんになって…?あぁ、ホントに可愛い。すげぇ可愛い……‥』
薄れる意識の中、獣が美しく笑った。
その笑顔に、喰われてしまおうか?
白む視界の先に、野蛮な美しさが見えた。
えろいしなんかいたい
『せーんせ、絆創膏と湿布ちょーだい。怪我した』
『まァた喧嘩か…‥?』
夕方、さぁ帰ろうかとデスクを片付けていた忍足は、保健室の入り口からの呑気な声を聞いて溜息を吐く。
この困った生徒は最近よく此処にやってくる。
確か名前は芥川だ。
芥川 慈郎。
顔や手足に幾つも擦り傷を作ってやってくる。目は肉食獣、補食者のそれだ。
色素の薄い茶色い眸のまわりは、赤く腫れ上がっている。殴られたのだろう。
『馬鹿に付ける薬はあれへん。いい加減にせんと、停学じゃァ済まないで』
帰り支度をする手が止まってしまっていた。
忍足は再び片付けを始め、不良生徒から目を逸らして話す。
入り口のドアに寄り掛かって説教を聞いていた芥川であったが、それは右から左へ通り抜けていた。
話がわかる生徒なら、教師は一切苦労しないのだ。
芥川はだらしなく引き摺るように歩き、忍足の背後に立つ。再び、口を開く。
『ねぇセンセ、俺、怪我したんだってば。手当てしてよ、仕事だろ?』
芥川の声が地を這う獰猛な色のそれであっても、ここでびびってはいけない。
忍足はなんとかそれを聞き流そうと、この場を回避しようと、必死に自身を落ち着かせようと。
『聞いてんのセンセ、なぁ、アンタこそいい加減にしろよ…忍足センセ』
これだから不良は嫌いだ!
忍足は、つい、デスクを思い切り拳で叩いた。
痛い!悲鳴を上げたデスクはしかし無機物だからよいのだ。痛みは感じない。
だが、生憎忍足は痛みを感じる。
忍足の態度に、切れやすい糸がやはり簡単に切れた芥川は、迷わず手をあげていた。
後頭部の髪を思い切り掴まれ、思わず仰け反る。
頭の皮膚ごと髪が無くなるんじゃないか。
激しい痛みに顔を歪める忍足を、肉食獣の生徒が、唇を舐めながら見つめていた。
『痛っ、はっ、はぁっ…あ…あくたがわ…あっ、う』
『ジローでいいってば先生…、あぁ…いいよその顔…すげぇ、やらしい…‥』
白い真っすぐな天井が歪むのは泣いているからだ。
清潔な保健室のベッド。
情けなく泣き腫らす、自分より一回りも年上の教師相手に生徒は恍惚とした表情すら浮かべてみせる。
結合部からは、赤く、温かい血が流れていた。
『あっ、あぁっ、や、やめ、ろ…痛いっ…、あ、い、いたい、から…!』
擦り切れるほど出入りを繰り返し、芥川は幾度も若い欲を吐き出していたが、忍足はまだ一度も達していなかった。
痛みばかりを伴う繋がりに、そう簡単に快感など見出だせまい。
痛い、痛い、と、泣く、情けない姿に、また、また芥川の雄が膨れ上がり、また、幾度目かの射精をした。
確実に腹を下すだろう。痛みだとか、悔しさだとか、あるいは諦めだとか、やはり情けない顔で、明日の朝か、いや、今夜か、便所に籠もるだろうこの年上の男を想像しただけでも、芥川はイけるほどだ。
そのくらい、愛している。
『先生、ねぇ、痛い?痛い…?もっと見せろ、その顔…見せろよ…』
『あああぁっ!!ひっ、あぁっ、いっ、あっ、あっ』
ぐ、と力をこめ、芥川が忍足の雄を握り締める。
あまりの痛みに忍足はガタガタと身体を揺らし、しかし、漸く射精をした。
悲鳴じみた喘ぎに耳を犯された芥川は、いつのまにか乾いてしまった唇を、下肢を繋げたままで、忍足と重ね合わせる。
『…可愛い可愛い忍足先生…アンタが好き。…なぁ、俺のもんになって…?あぁ、ホントに可愛い。すげぇ可愛い……‥』
薄れる意識の中、獣が美しく笑った。
その笑顔に、喰われてしまおうか?
白む視界の先に、野蛮な美しさが見えた。

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プロフィール
HN:
詩子
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/08/13
職業:
学生
趣味:
買い物・音楽鑑賞
自己紹介:
小説や日記、小ネタ等を投下していくヲタクなブログです。サイトの代わりに運営しているのでコメントやメッセージは大歓迎です。
リンクについては同人サイト様につきフリー。報告や連絡いただければそちらにも遊びにいきます♪
コメントするのが嫌だわ、というシャイなお嬢さんは(笑)
utagawa_hikaru☆hotmail.com
(☆を@に変えてくださいね)
こちらまでご連絡ください!
ジャンルはサイトをやっていた頃とほとんど変わりませんが…
テニス(忍受け、跡受けなど)
サガフロ(いろいろ)
もしかしたらアイシ(阿雲)
オリジ(気が向けば)
…こんな感じです。
同志様は是非仲良くしてください!
何かありましたらお気軽にご連絡を。
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コメントするのが嫌だわ、というシャイなお嬢さんは(笑)
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ジャンルはサイトをやっていた頃とほとんど変わりませんが…
テニス(忍受け、跡受けなど)
サガフロ(いろいろ)
もしかしたらアイシ(阿雲)
オリジ(気が向けば)
…こんな感じです。
同志様は是非仲良くしてください!
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