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古い小説から最近のまでおいてあります。
古いのはなんだか恥ずかしいのでいつ消すかわかりません。

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『なぁ、なぁもう起きてや跡部ー。もう九時やで?』
日曜で部活もオフなんてここ最近無かった。
だから昨晩はうんと抱きあった。いつまでたっても起きない恋人を忍足が揺すり起こす。
『たまの休みだ…まだ寝させろ…』
体をピクリとも動かさずにはっきりしない口調で生返事。帝王様は朝弱い。
仕方ないといった顔をして、帝王様の恋人が、布団を捲る。
『起きてー跡部ぇー』
未だ動かない恋人に、甘えた声をかけ触れる程度の口付けを。
『っ…んぅ…』
離れようとしたところを、ばっと起き上がり、後ろから頭を押さえ不意打ちで深く口付けを返す。
そんな口付けを返された忍足が、ようやく起きたかと呆れ気味に離れようとすれば、跡部はコテっと肩に顔を乗せてきた。
そのまま再び寝息をたてる姿は普段から想像出来ぬ程に可愛らしくて。
思わず頬を緩めた忍足も、無理に体を離そうとせずまったり。
『こういう時は可愛いやんなぁ…』
ふんわりやわらかい、色素の薄い猫っ毛を、これまたふんわりやわらかい手つきで梳きながら、クスクスと笑う。
やめろとは言わないが、笑われたのが気に食わないのかなんなのか、いつものような不機嫌な瞳が見つめていた。
『笑ってんじゃねぇ…とりあえず飯…』
緩慢な動作で立ち上がり、ちょっと立った寝癖を押さえながらまだまだ眠そうに洗面所にむかう跡部にまた笑みが漏れた。
こんなに可愛い跡部を見れるのは俺くらいだ。
そんな可愛らしい優越感。
言われた通り、少し遅めの朝食を作らねば。
パタパタと台所にむかう姿はなんというか、いわゆる新妻のような…。
それが洗面所から戻ってきた跡部から見た忍足の感想だった。
あながち間違っていないかもしれない。
忍足の実家は純和風の家庭で、だから一人暮らしの忍足のつくる食事も必ずと言っていい程の割合で和食。
たまに跡部が洋食がいいと言わないかぎりはまず和食に間違いはない。
そんなわけで今朝も和食。
決して質素ではないし、かといって豪華でもないソレは薄味で跡部のお気に入りだった。
普段洋食の跡部が美味い美味いと言って忍足のつくる食事を食べるのは恐らく愛の力も手伝っているというところだろう。
『ごちそーさん』
朝食を取り終えた頃にはすっかり目が覚めていた跡部を見て、内心がっかりする忍足。
しかし腑抜けたままではイヤだといえばイヤだなぁと、くだらない事を、取り留めもなく考えながら洗い物を。
そんな洗い物をする忍足の背中を見つめ、跡部はある種感動を覚える。
『マジで新妻っぽい…』
にやり、幸せそうなこの弛んだ顔を、忍足は見たことがない。いや、跡部が見せないからなのだが。
『もうお前嫁にこい。一生幸せにしてやるよ』
我慢できないと、そう呟いて可愛い恋人を後ろから抱き締める。
ひゃあ、なんて、驚いて間抜けた声を出すそれさえ愛しくて。
『こ、こら。悪戯したらアカン!』
少しキツイ食器用の洗剤の匂いに鼻をつかれ、洗剤まみれの手をとり握る。
『綺麗な手が荒れんのはイヤだ…』
子供のように、我儘を言うように、拗ねたようなイントネーションで背に顔をつけ語りかける。
その素直な言葉が嬉しくて恥ずかしくてなんだかくすぐったくて、忍足は顔を染め幸せそうに笑う。
どちらからともなく始められた口付けは終わることを知らず、
そして二人は幸せが終わることを知らず、
たとえ全知全能の神様がいても、きっとこの気持ちは知らないのだ。
日曜で部活もオフなんてここ最近無かった。
だから昨晩はうんと抱きあった。いつまでたっても起きない恋人を忍足が揺すり起こす。
『たまの休みだ…まだ寝させろ…』
体をピクリとも動かさずにはっきりしない口調で生返事。帝王様は朝弱い。
仕方ないといった顔をして、帝王様の恋人が、布団を捲る。
『起きてー跡部ぇー』
未だ動かない恋人に、甘えた声をかけ触れる程度の口付けを。
『っ…んぅ…』
離れようとしたところを、ばっと起き上がり、後ろから頭を押さえ不意打ちで深く口付けを返す。
そんな口付けを返された忍足が、ようやく起きたかと呆れ気味に離れようとすれば、跡部はコテっと肩に顔を乗せてきた。
そのまま再び寝息をたてる姿は普段から想像出来ぬ程に可愛らしくて。
思わず頬を緩めた忍足も、無理に体を離そうとせずまったり。
『こういう時は可愛いやんなぁ…』
ふんわりやわらかい、色素の薄い猫っ毛を、これまたふんわりやわらかい手つきで梳きながら、クスクスと笑う。
やめろとは言わないが、笑われたのが気に食わないのかなんなのか、いつものような不機嫌な瞳が見つめていた。
『笑ってんじゃねぇ…とりあえず飯…』
緩慢な動作で立ち上がり、ちょっと立った寝癖を押さえながらまだまだ眠そうに洗面所にむかう跡部にまた笑みが漏れた。
こんなに可愛い跡部を見れるのは俺くらいだ。
そんな可愛らしい優越感。
言われた通り、少し遅めの朝食を作らねば。
パタパタと台所にむかう姿はなんというか、いわゆる新妻のような…。
それが洗面所から戻ってきた跡部から見た忍足の感想だった。
あながち間違っていないかもしれない。
忍足の実家は純和風の家庭で、だから一人暮らしの忍足のつくる食事も必ずと言っていい程の割合で和食。
たまに跡部が洋食がいいと言わないかぎりはまず和食に間違いはない。
そんなわけで今朝も和食。
決して質素ではないし、かといって豪華でもないソレは薄味で跡部のお気に入りだった。
普段洋食の跡部が美味い美味いと言って忍足のつくる食事を食べるのは恐らく愛の力も手伝っているというところだろう。
『ごちそーさん』
朝食を取り終えた頃にはすっかり目が覚めていた跡部を見て、内心がっかりする忍足。
しかし腑抜けたままではイヤだといえばイヤだなぁと、くだらない事を、取り留めもなく考えながら洗い物を。
そんな洗い物をする忍足の背中を見つめ、跡部はある種感動を覚える。
『マジで新妻っぽい…』
にやり、幸せそうなこの弛んだ顔を、忍足は見たことがない。いや、跡部が見せないからなのだが。
『もうお前嫁にこい。一生幸せにしてやるよ』
我慢できないと、そう呟いて可愛い恋人を後ろから抱き締める。
ひゃあ、なんて、驚いて間抜けた声を出すそれさえ愛しくて。
『こ、こら。悪戯したらアカン!』
少しキツイ食器用の洗剤の匂いに鼻をつかれ、洗剤まみれの手をとり握る。
『綺麗な手が荒れんのはイヤだ…』
子供のように、我儘を言うように、拗ねたようなイントネーションで背に顔をつけ語りかける。
その素直な言葉が嬉しくて恥ずかしくてなんだかくすぐったくて、忍足は顔を染め幸せそうに笑う。
どちらからともなく始められた口付けは終わることを知らず、
そして二人は幸せが終わることを知らず、
たとえ全知全能の神様がいても、きっとこの気持ちは知らないのだ。
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プロフィール
HN:
詩子
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/08/13
職業:
学生
趣味:
買い物・音楽鑑賞
自己紹介:
小説や日記、小ネタ等を投下していくヲタクなブログです。サイトの代わりに運営しているのでコメントやメッセージは大歓迎です。
リンクについては同人サイト様につきフリー。報告や連絡いただければそちらにも遊びにいきます♪
コメントするのが嫌だわ、というシャイなお嬢さんは(笑)
utagawa_hikaru☆hotmail.com
(☆を@に変えてくださいね)
こちらまでご連絡ください!
ジャンルはサイトをやっていた頃とほとんど変わりませんが…
テニス(忍受け、跡受けなど)
サガフロ(いろいろ)
もしかしたらアイシ(阿雲)
オリジ(気が向けば)
…こんな感じです。
同志様は是非仲良くしてください!
何かありましたらお気軽にご連絡を。
リンクについては同人サイト様につきフリー。報告や連絡いただければそちらにも遊びにいきます♪
コメントするのが嫌だわ、というシャイなお嬢さんは(笑)
utagawa_hikaru☆hotmail.com
(☆を@に変えてくださいね)
こちらまでご連絡ください!
ジャンルはサイトをやっていた頃とほとんど変わりませんが…
テニス(忍受け、跡受けなど)
サガフロ(いろいろ)
もしかしたらアイシ(阿雲)
オリジ(気が向けば)
…こんな感じです。
同志様は是非仲良くしてください!
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