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初めての方はカテゴリから説明へどうぞ。 古い小説から最近のまでおいてあります。 古いのはなんだか恥ずかしいのでいつ消すかわかりません。



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久々の跡忍跡です
エロくないけど変態チック(笑)



【おはなときみ】


跡部は風呂に花びらを散らすのが好きだ。
女みたいな、いや女でも今時「珍しい」程度では済まないだろうその嗜好なのに、しかし跡部が行うだけで何故か眩くて、高貴だった。
自分とは産まれ持った全てが違いすぎる恋人の姿を眺めながら、忍足は息をついた。
伸ばした白い脛に、薄桃色の花びらが張り付いている。

「何見てやがる、お前も入れよ、冷えるぜ」

促されてはっとした。
体も頭も洗い終えたまま、跡部をぼうっと見つめていた。
少し慌てた様子で、忍足は既に跡部がつかっている浴槽へ入り込む。
ざばっと音をたてて湯が溢れていく、排水口の上で花びらがくるくると回った。
もったいないな、忍足のそんな視線が花びらをおっていた。
跡部は気にもとめていなかったようだけれど。

「女の子みたいや、こんなん」

みとれていたくせに。
そう花びらと、花びらと戯れる跡部とに、みとれていたくせに、小馬鹿にしたように言う。
跡部は眉を寄せて花びらをつまみあげた。

「煩ェよ、ラブロマンス好きに言われたくないな。それに…」

つまみあげた花びらを口許に近付けて言うのだ。

「コレのお陰で更に美しいだろーが、俺様が」

何を馬鹿な事を。
そう言ってやりたいのに視線は正に釘付けで。
何故か赤面してしまって、裸の跡部の白い肌に張り付く花びら達にまで嫉妬しそうなくらい、美しさにあてられて愛しくて。

「そんな可愛くて綺麗な俺に、どうされたいの?」

「っ……、」

あぁその碧い目に見つめられて甘い声に呼ばれて、私も花びらみたいにばらばらに散ってしまうわ!





久々の跡忍跡、というか跡部と忍足でした。
花びらを散らしたお風呂に入る跡部様、というのがいきなり頭に浮かび、書きたくなりました。
なんか、格好いいんじゃなくて、儚くて美しい、少女漫画みたいな跡部様を書きたかったんです。
だから最後のせりふがちょっと女の子みたい(笑)
こういうのまた書きたいな。


・碧タソへ
まさにブン太カラーですよ(笑)ただ長さが足りないのと、黒のメッシュが入ってるです。可愛いなんて、嬉しい(*´Д`)
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タイトルがなめている(笑
なんかいけないえろ




『ンむ…んッ、はぁ…』

『…いいよ、あァ…‥そうだとても上手だよ侑士…』

この、俺の股間に顔を埋める可愛らしい生き物は、少し前に見つけた不思議な生き物だ。
必死に奉仕をする所為で苦しげに閉じられたあの薄い目蓋の向こうには黒く光る瞳がいる。
あの瞳が、弱々しく俺を見ていたものだから、手を伸ばしてやるほか無かったのだ。

『慈郎、さん…』

『なんだ、舐めてるだけで勃起しちまったの?っとにやらしいな、侑士は…』

あの夜、仕事の帰りに暗い路地で見つけた侑士はひどく弱々しく、消えそうな雰囲気すら醸して、そこに座り込んでいた。
まだ夜は肌寒い四月だというのに、真っ白いTシャツにジーパン、足は裸足という、みすぼらしいというか、異常な格好だった。

見ていられずに連れ帰ったこの生き物は、人間というにはあまりに知能が低い。
わかっていたのは【ユウシ】という名前だけ。侑士という漢字は後から俺がつけた。
歳も、出身地も、家族のことも、何もわからないとたどたどしく話す12、3の少年に、俺は興味を持った。

はじめのうちは大変だった。
眠くなれば寝る、腹が減れば食う、出したくなれば出す。
野生動物のような侑士はあまりに本能に忠実だった。
リビングで小便垂らされた時にはさすがに怒鳴り散らした。
そこで気が付いたのは、侑士が叱られることをひどく恐れていることだ。
ごめんなさい、ごめんなさい、足元にしがみつきながら、泣きながら、やはりたどたどしい口調で何度も謝っていた侑士の姿を、俺はきっと忘れることはないだろう。

まるで犬のような(どちらかといえば猫かもしれない)侑士を、どうして俺がいつまでも家に置いているかといえば、それはやはり犬や猫を飼うような感覚で、しかし相手が人間であるという背徳感がまたたまらなかったのだ。
悪趣味は自覚している。

『ご、ごめんなさい…ユウシ、やらしい子や…悪い子や…』

家では何も着せていない。
丸出しのペニスを必死に隠そうとする姿があまりに可愛らしく、あまりに卑猥で、口元が笑みに歪んだ。

『何度言ってもわからないんだな侑士は…勝手に大きくしちゃァ駄目だろ?』

手を掴み退けさせる。そこを見られるのは恥ずかしいことだと、そのくらいはわかっているらしい、顔が赤く染まっていく。
勃起したペニスのまわりはつるつるに剃ってやった。
あの時剃刀を持つ俺を見て泣きだした侑士にはさすがに驚いた(今思えば可愛い)。
無毛のそこからにょっきりと勃ち上がっているペニスを握り込み、ゆっくりと上下に扱いてやる。
ソファに座る俺の目の前で立つ侑士の足は震えはじめ、ついには俺の肩に両手をついてしまう。
この生き物は非常に快感に弱い。

『あっ、あぅ…じ、じろう、さ…ッ、や、駄目や、て…』

俺が【よし】を言うまでは出してはいけないと躾けた。
だからこうして必死に堪える、唇を噛んで、拳を握って。

性的な躾を、調教をはじめたのは最近だ。
しかし、もしかしたら侑士はもともと性的な玩具にされていて、捨てられたのではないだろうか、俺はそう思っている。
フェラだって上手いし、はじめっから尻の穴でとてもよく感じていたからだ。
それに、セックスの仕方は知っているのに下の管理ができないなんておかしいだろう。

『侑士、尻の穴むずむずするんじゃねェの?なぁ、俺ので擦ってほしいだろ…』

片手でペニスを掴み上げ、片手をその奥のアナルへとむかわせる。
見上げれば必死に頷くその顔が目に入り、あぁ、なんて可愛らしい、俺の目が欲に濡れた。

『ほ、ほしぃ、よ…じろ、さんの…、おちんちんで、ユウシの中、たくさん、擦って、くらさい…』

もともとたどたどしい口調、それが快感にさらに歪められ、上手く口が回っていない。
どうにも可愛らしくて仕方が無い。
軽い身体を抱き上げ、自分の上へおろす。
我慢はせずに、慣らしもしないアナルへ突き立てた。

『―――ヒッ…!あっ、ああぅッ…じろ、さ、い、痛い…』

背に立てられる爪が皮膚に食い込んだ。
侑士は恐がって、爪もなかなか切らせてくれないのだ。
ぼんやり考えながら、それでも快感を求める本能に突き動かされ、俺は腰を揺らした。
ふわふわや、美味しそう。
侑士がそう形容した俺の傷んだ金髪を片手に掴む。
頭皮がひきつるような痛みを訴えたが、快感に掻き消された。

『侑士…ッ、あぁ、イイ…サイコー……』

『あぁン…あ、あ、あ…じろう、さん…じろー、さッ……んンッ、ん…』

難しい言葉を覚えられない侑士でも、俺の名前は覚えた。
馬鹿の一つ覚えみたいに【じろうさん】を繰り返すその小さな口を、塞いでやった。

いつか俺も、侑士を暗い路地に捨てる日が来るだろうか?
そうして誰か知らない男にまた拾われる侑士を想ったら、拾われた男に俺の名前すら覚えていないとたどたどしく言う侑士を想ったら、すごく、イラっとした。
不良慈郎と保険医忍足

えろいしなんかいたい









『せーんせ、絆創膏と湿布ちょーだい。怪我した』

『まァた喧嘩か…‥?』

夕方、さぁ帰ろうかとデスクを片付けていた忍足は、保健室の入り口からの呑気な声を聞いて溜息を吐く。
この困った生徒は最近よく此処にやってくる。
確か名前は芥川だ。
芥川 慈郎。

顔や手足に幾つも擦り傷を作ってやってくる。目は肉食獣、補食者のそれだ。
色素の薄い茶色い眸のまわりは、赤く腫れ上がっている。殴られたのだろう。

『馬鹿に付ける薬はあれへん。いい加減にせんと、停学じゃァ済まないで』

帰り支度をする手が止まってしまっていた。
忍足は再び片付けを始め、不良生徒から目を逸らして話す。
入り口のドアに寄り掛かって説教を聞いていた芥川であったが、それは右から左へ通り抜けていた。

話がわかる生徒なら、教師は一切苦労しないのだ。

芥川はだらしなく引き摺るように歩き、忍足の背後に立つ。再び、口を開く。

『ねぇセンセ、俺、怪我したんだってば。手当てしてよ、仕事だろ?』

芥川の声が地を這う獰猛な色のそれであっても、ここでびびってはいけない。
忍足はなんとかそれを聞き流そうと、この場を回避しようと、必死に自身を落ち着かせようと。

『聞いてんのセンセ、なぁ、アンタこそいい加減にしろよ…忍足センセ』

これだから不良は嫌いだ!
忍足は、つい、デスクを思い切り拳で叩いた。
痛い!悲鳴を上げたデスクはしかし無機物だからよいのだ。痛みは感じない。
だが、生憎忍足は痛みを感じる。
忍足の態度に、切れやすい糸がやはり簡単に切れた芥川は、迷わず手をあげていた。
後頭部の髪を思い切り掴まれ、思わず仰け反る。
頭の皮膚ごと髪が無くなるんじゃないか。
激しい痛みに顔を歪める忍足を、肉食獣の生徒が、唇を舐めながら見つめていた。




『痛っ、はっ、はぁっ…あ…あくたがわ…あっ、う』

『ジローでいいってば先生…、あぁ…いいよその顔…すげぇ、やらしい…‥』

白い真っすぐな天井が歪むのは泣いているからだ。
清潔な保健室のベッド。
情けなく泣き腫らす、自分より一回りも年上の教師相手に生徒は恍惚とした表情すら浮かべてみせる。

結合部からは、赤く、温かい血が流れていた。

『あっ、あぁっ、や、やめ、ろ…痛いっ…、あ、い、いたい、から…!』

擦り切れるほど出入りを繰り返し、芥川は幾度も若い欲を吐き出していたが、忍足はまだ一度も達していなかった。
痛みばかりを伴う繋がりに、そう簡単に快感など見出だせまい。
痛い、痛い、と、泣く、情けない姿に、また、また芥川の雄が膨れ上がり、また、幾度目かの射精をした。

確実に腹を下すだろう。痛みだとか、悔しさだとか、あるいは諦めだとか、やはり情けない顔で、明日の朝か、いや、今夜か、便所に籠もるだろうこの年上の男を想像しただけでも、芥川はイけるほどだ。

そのくらい、愛している。

『先生、ねぇ、痛い?痛い…?もっと見せろ、その顔…見せろよ…』

『あああぁっ!!ひっ、あぁっ、いっ、あっ、あっ』

ぐ、と力をこめ、芥川が忍足の雄を握り締める。
あまりの痛みに忍足はガタガタと身体を揺らし、しかし、漸く射精をした。
悲鳴じみた喘ぎに耳を犯された芥川は、いつのまにか乾いてしまった唇を、下肢を繋げたままで、忍足と重ね合わせる。

『…可愛い可愛い忍足先生…アンタが好き。…なぁ、俺のもんになって…?あぁ、ホントに可愛い。すげぇ可愛い……‥』

薄れる意識の中、獣が美しく笑った。
その笑顔に、喰われてしまおうか?
白む視界の先に、野蛮な美しさが見えた。
ジロと忍足がおにゃにょこ

ちょとえろい







『侑ちゃんは胸おっきくていいなぁー…あたしなんかぺったんこだもん』

『ちょ、いきなり何言うとんの、ええことなんかあれへんもん』

そこはお年頃の女の子。胸の大きさだって気になるもの。
芥川は貧乳で、背も低いし、まぁ、マニアに好かれる体系。
逆に忍足は巨乳でおまけに背も高い。

昼休み、仲の良い二人は屋上でまったり。
いきなり芥川が忍足の胸にひっついて羨ましいと零した。
女同士のじゃれあいだから、忍足だって驚きはしたものの、胸にぐりぐりと押しつけられた頭をヨシヨシと、撫でてやっていたわけだけれども、それを見ている人がいたならば話は別。

『絶景だなァ…』

屋上には大きな器材格納庫があって、結構な高さがある。
上に乗って昼寝するのは最高だとか、芥川がよく言う場所。
そこからじゃれあう二人を見下ろしていたのは、忍足の恋人の跡部。
二人はいつのまにかじゃれあいをエスカレートさせて、芥川が忍足を押し倒していた。
胸の感触を確かめるように両手で寄せたり上げたりしまいには揉んでみたり。
イヤイヤと首を振る忍足を無視して芥川は悪戯を続ける。途端、芥川が格納庫の上へと目を向ける。
確信犯的な笑み。そして次に芥川がとった行動は

『やっぱ生で触んなきゃよくわかんないよねー』

『あー羨ましい羨ましい!侑ちゃんずるい!』

『…気持ちE…』

シャツの裾から手を突っ込んで…。そのうち胸に顔を押し付けたままうとうと。
たまったもんじゃない!!
これでもし芥川が同じ男だったら
――いや、男だったらそもそも昼休み一緒に過ごすことさえ許さないのだが――
とにかく男だったらすぐにでも跡部からの鉄槌が加えられていただろう。
女だから、女だから…自分に言い聞かせても、跡部は握り締めた拳を解けずにいた。
何より恋人の胸(生)に触れられたのは許せないらしい。

『あの女…よくも俺様の侑の胸を…』

いてもたってもいられなくなった跡部は、格納庫から身軽に降りて、いちゃつく二人のもとへ足を進めた。
それに先に気付いたのは忍足で、顔を引きつらせながら必死に芥川を引き剥がしにかかる。

『ちょ、起きて!ジローちゃん起きてや、離れて!』

『なぁに侑ちゃん…あ、跡部ー…羨ましいっしょー、侑ちゃんの生ちちー』

『イヤやー!ジローちゃんやめてやめて…』

目を覚ました芥川が跡部に見せ付けるように忍足の胸を揉む。
もはや涙目になって首を振る忍足。
一層険しい表情で拳を震わせる跡部。

『あっ…』

芥川の綺麗にマニキュアが塗られた長い爪が、ふとした拍子に胸のてっぺんの突起に引っ掛かってしまったらしい。
小さく声を漏らして震えた忍足に、跡部の握り締めた拳がゆるむ。

『ッ……芥川!俺の侑から離れろ、気安く触るな!』

忍足の様子に一瞬見惚れた跡部が仕切り直したように芥川を怒鳴り付ける。
その表情は、確かに怒気を帯びてはいたけれど、明らかに赤く染まっていた。
それを見た芥川は満足そうに悪戯っぽく笑って、忍足から身体を離す。

『じゃ、ごゆっくりー、二人とも。あ、五限はサボりでしょ?じぁゃねー』

にこにこ笑いながら、るんたるんたしながら、芥川は二人をおいて屋上から去る。
つまりこれは跡部に用意された最高のシチュエーションなのだ。

『……侑、俺以外の奴にお前簡単に身体触らせたよなぁ…?おまけに乳首に爪引っ掛かって感じてただろ』

『や、やって景ちゃん、あれはジロちゃんが…あっ!ちょお、やめてぇ…』

二人っきりになってしまえば跡部の独壇場。
あれこれ問い詰めながら、わざと芥川がしたのと同じように胸をいじくり倒す。
そのうち忍足は、お仕置きと称した跡部からのギリギリ性的虐待にいたらない行為を受けるはめに……

『いやぁっ!けぇちゃん…もう無理ィ…ぁん、あ…』

『もっと腰振れ。ほら、こうしたら気持ちイイだろ』

お昼過ぎの屋上、授業をサボって交わる二人は、こんなんでも恋人。
いじめられながら忍足は、自分の胸を恨むのでした。
駄目忍足パラレル









俺は家族も世間体も捨てた。
ただ彼のモノとして生きることを選んだ。
車を運転する彼の手、ハンドルを握る彼の指、その左手の薬指はまだ空いているわけだが、きっと何時か、プラチナか何かの小さな輪が填るのだ。
それも構わないと思っている。
俺はモノだから、いらなくなったら捨てたらいい。
それで充分だ。

だって、俺が告げた人生を手放したような俺の生き方を、誰より美しい彼が、何より美しいと評価してくれたから。



【君のモノ】



跡部の暮らすマンションに入り浸って、なかば引きこもりのようになっていた忍足をなんとか卒業式に引きずり出し、そしてそれを終えた今、打ち上げの誘いを一蹴した跡部は、車を飛ばしていた。
車がどこへ向かっているか、忍足は知らなかった。
高校を卒業し、そのまま氷帝の大学へ進学することを告げた時点で、両親との間に見えない亀裂が生まれた。
そして大学を卒業する頃に、「俺は跡部になります」そんな文句で、忍足は「忍足」と縁を切った。
今、忍足は「忍足」ではない。
しかし、「跡部」にもなれない。
でも、跡部のモノだった。

「ここ…何?」

「四月から俺の会社になるトコ」

車は、都心のオフィス街に入って少しした所で止まった。
それなりの高さの、綺麗なビルの前だった。
忍足の短い問いに跡部も簡単な返事のみを口にして、車から降りる。
頼りなく歩く忍足の手首を掴むと、引きずるようにしてビルへ向かった。

「四月から跡部は社長さんになるんや…立派やね」

嬉しそうに笑ってみせる忍足の顔が、ガラス張りのエレベーター内でいくつにも映って増えた。
あぁ、と、無表情で、また短く返事をした跡部は、しかしきつく手首を握ったままだった。



「ここが社長室」

お決まりの如く最上階にあるその部屋は、お決まりの如く無駄に広かった。
キョロキョロと部屋を見回す忍足の仕草は、昔より幾らも歳を重ねたくせに、昔より随分ガキ臭い。

跡部のモノになることを決めた日から、忍足は自分を守るのも、作るのもやめてしまった。
氷のような微笑みも浮かべない、冷静な意見も口にしない。
我慢を忘れた。
甘えたくなれば甘えるし、シたくなればスる。
学校へは行きたくないから、と、毎日跡部の帰りを待って、部屋にこもっていた。
人生を手放して、跡部のモノになることを決めた。
それは跡部が忍足に最も望んでいたことであり、しかし世間から見れば破滅的な関係だった。

忍足は、壊れるまで跡部を愛した。
壊れて漸く、自由になった。
皮肉。


「四月からはお前も毎日ここへ来るンだぜ、忍足」

「俺…秘書になんか、なられへんよ?仕事の手伝いもしてやれんし…」

大きなソファの上に膝を抱えて座り込む忍足が問い掛ければ、跡部は目を細めた。
そして、窓から地上を見下ろすのをやめて、忍足のすぐ隣に腰掛ける。
顎に指をかけて顔を向き合わせて、笑う。

「俺は、モノに仕事させる気も時間管理やらさせる気も無い」

美しい笑顔が近付いたと思った時には、唇が重なっていた。
引き篭るようになって以来弱りきった忍足の筋肉は役に立たない。
跡部の胸元を押し返したつもりの忍足の腕は、すがるような手付きにしか見えなかった。

「ンん…ッ、あ、あとべ…、い、嫌やって、こないな、とこで…」

「モノが口応えするな…」

それは酷く冷たく、非人間的な台詞だが、しかし忍足は嬉しそうに微笑んだ。

モノでいい。モノでいいの。

「ぁ、あッ…」

卒業式だから、と、無理矢理のように着せたスーツを、今度は無理矢理に剥ぐ。
肌けた胸元に早々と唇を寄せた跡部に、忍足は甘く鳴いた。
簡単に膨れあがった乳首が、唾液にいやらしく濡れた。

「はァ…ぁ、ンぁっ、ゃ…」

「よく鳴くな、相変わらず…」

満足気に言った跡部が、唇を舐める。
忍足とは全く反対に一切乱れていなかったスーツのネクタイを解き、上着とシャツを脱ぎ捨てる。
その姿を、忍足は恍惚として眺めた。

「ほら…、どうだ、いい眺めだろ…?」

「アッ、ぁっ、やァあッ…!あ、け、ご…、けぇ、ご…ッ」

壁一面のガラスに手をついて、立ったまま体を繋げる。
遥か眼下には整備された道路、真っ直ぐ前には向かいのビル、間近には自身の顔。
気が狂うような羞恥に、忍足は高く鳴いた。

「ゃ、やだ…やらァッ…!ぁっ、あぁン!」

「向かいのビルから…見られてるかもなァ、侑士…」

壊れるほど突き上げられて、その荒々しい扱いに、けれど安心して。
俺はモノだから、跡部の、彼のモノだから、壊してくれても構わない。

「お前は俺のモノだ…、宝、モノ…だッ…」

嗚呼、あァ、そんなこと言われたら、壊れたくないとか、捨てられたくないとか、思ってしまうよ。
やめてくれ、俺はただ、君のモノでありたい。

それだけ。
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プロフィール
HN:
詩子
年齢:
38
性別:
女性
誕生日:
1987/08/13
職業:
学生
趣味:
買い物・音楽鑑賞
自己紹介:
小説や日記、小ネタ等を投下していくヲタクなブログです。サイトの代わりに運営しているのでコメントやメッセージは大歓迎です。
リンクについては同人サイト様につきフリー。報告や連絡いただければそちらにも遊びにいきます♪
コメントするのが嫌だわ、というシャイなお嬢さんは(笑)
utagawa_hikaru☆hotmail.com
(☆を@に変えてくださいね)
こちらまでご連絡ください!

ジャンルはサイトをやっていた頃とほとんど変わりませんが…
テニス(忍受け、跡受けなど)
サガフロ(いろいろ)
もしかしたらアイシ(阿雲)
オリジ(気が向けば)
…こんな感じです。
同志様は是非仲良くしてください!

何かありましたらお気軽にご連絡を。
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