初めての方はカテゴリから説明へどうぞ。
古い小説から最近のまでおいてあります。
古いのはなんだか恥ずかしいのでいつ消すかわかりません。

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小説や日記、小ネタ等を投下していくヲタクなブログです。サイトの代わりに運営しているのでコメントやメッセージは大歓迎です。
リンクについては同人サイト様につきフリー。報告や連絡いただければそちらにも遊びにいきます♪
コメントするのが嫌だわ、というシャイなお嬢さんは(笑)
utagawa_hikaru☆hotmail.com
(☆を@に変えてくださいね)
こちらまでご連絡ください!
ジャンルはサイトをやっていた頃とほとんど変わりませんが…
テニス(忍受け、跡受けなど)
サガフロ(いろいろ)
もしかしたらアイシ(阿雲)
オリジ(気が向けば)
…こんな感じです。
同志様は是非仲良くしてください!
何かありましたらお気軽にご連絡を。
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オリジ(気が向けば)
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青い空に高々と舞い上がる白球を追う姿は、無条件に美しいものだ。
澄んだ空に響く声は、若い彼等の咆号である。
空を揺らす程の歓声で
高い音が空に響いた。金属バット特有のその音は、彼等の耳には聞き慣れたものだ。
真芯で捉えられた白球が広い空を駆ける。
高いフェンスを越え敷地を越えたあの球は、果たしてどこまで飛んだだろうか。
相手がバッティングマシンでよかった。あんな風に打ち砕かれてしまっては、投手は自信喪失である。
快音を響かせ柵越えを放ったのは二年生の樺地。練習中の部員達が騒つく。
『オラ、気ィ取られてんじゃねぇさっさと動け!』
透かさずキャプテンからの激が飛んだ。
部員達はまた各々の練習を開始する。
エースでありキャプテンである跡部は、女房役の樺地がバッティング練習中とあって暇を持て余していた。
代わりになる程の人材はいなかったし、とにかく投げ込みたい今、他の練習をする気にもならない。
球速を然程落とさず低めへ落ちるSFF、決して芯を食わせないSスライダーを武器に、速球中心のピッチングをする跡部。その豪速球をまともに受けられるのは樺地くらいなのだ。
跡部は溜息をついて練習風景を眺める。どうにもクセの強い部員ばかりだ、と。
『手ェ抜いてんじゃねーよ侑士!真面目にやれ!』
『えー、せやって疲れるやんかーあんまり気張ると』
吠えるのは向日だ。一緒に外野ノックを受ける忍足に文句を付ける。
イマイチ気が乗らないのか、緩い送球で中継に返球をする忍足に向日がキレたらしい。
炎天下、よくもまぁそんなに元気でいられるものだと、忍足は尊敬すらしていた。
直に日差しを受ける為、球と太陽が被り目をやられる。外野手はそんな状況とも戦いながら練習に励む。
高々と打ち上げられた白い球が、白く光る太陽と重なるのをぼんやり眺めながら、その中に球の輪郭を見出だしながら、距離感を感じ取りながら、風の揺らぎを、かけられた声を、自然に動きだす足を、全てを取り込み計算しながら、忍足が、落下点でグラブを構えた。
真昼の炎天下、外野ノックは堪忍や、と、愚痴を零しながら。
『何処見て投げてんだアイツは……』
ふと跡部が目をやった先、必死に頭を下げる鳳の姿が目に入る。
本塁併殺。ホームゲッツーの練習をしていたらしい鳳が投げたボールが、見事バックネット、フェンスにめり込んでいる。
どれだけのノーコンで、どれだけの速さであの球を放ったのだろうか。
額に手をあてながら、跡部は盛大に溜息をついた。
課題は山積みである。
『跡部ぇー!宍戸が、宍戸がぁー!!』
『ジローてめぇ卑怯だぞ!跡部に頼るなよ!』
さらに頭を重くする声が聞こえ、それと一緒に背中に重みを感じ、跡部は本日何度目かの眩暈を感じる。
芥川が背中にべったりともたれかかっていた。
走塁練習、アウトだセーフだと、二人はどうやら揉めていたらしい。
たかが練習で揉めるなと言いたい跡部であったが、彼等にそれを言っても無駄であろう。
ガキと、負けず嫌いが揃ってしまっていては仕方ない。
『あぁ、うるせぇな…。この際どっちでもいいだろ、ジャンケンだ、ジャンケンで決めちまえ』
やれやれ、と、立ち上がる。
どうやらようやく樺地がバッティング練習を終えたらしい。
グラブと、硬球とを手に取り、跡部がゆっくりと歩きだす。
やや土の高くなったステージを踏みしめ、プレートにかかってしまった土を足で払う。
ただ一点、口を開けて待つ相棒のミットに、ただ一心、放り込めばいい。
力強く踏み込め!
あの一点へ、全力を!
乾いた音をたてて白球がそこにおさまる。痺れる程の重さで、目にも留まらぬ速さで、決して砕かれぬ鋭さで。
この球が、この夏、青い空を揺らす程の歓声を、沸き起こらせる。
澄んだ空に響く声は、若い彼等の咆号である。
空を揺らす程の歓声で
高い音が空に響いた。金属バット特有のその音は、彼等の耳には聞き慣れたものだ。
真芯で捉えられた白球が広い空を駆ける。
高いフェンスを越え敷地を越えたあの球は、果たしてどこまで飛んだだろうか。
相手がバッティングマシンでよかった。あんな風に打ち砕かれてしまっては、投手は自信喪失である。
快音を響かせ柵越えを放ったのは二年生の樺地。練習中の部員達が騒つく。
『オラ、気ィ取られてんじゃねぇさっさと動け!』
透かさずキャプテンからの激が飛んだ。
部員達はまた各々の練習を開始する。
エースでありキャプテンである跡部は、女房役の樺地がバッティング練習中とあって暇を持て余していた。
代わりになる程の人材はいなかったし、とにかく投げ込みたい今、他の練習をする気にもならない。
球速を然程落とさず低めへ落ちるSFF、決して芯を食わせないSスライダーを武器に、速球中心のピッチングをする跡部。その豪速球をまともに受けられるのは樺地くらいなのだ。
跡部は溜息をついて練習風景を眺める。どうにもクセの強い部員ばかりだ、と。
『手ェ抜いてんじゃねーよ侑士!真面目にやれ!』
『えー、せやって疲れるやんかーあんまり気張ると』
吠えるのは向日だ。一緒に外野ノックを受ける忍足に文句を付ける。
イマイチ気が乗らないのか、緩い送球で中継に返球をする忍足に向日がキレたらしい。
炎天下、よくもまぁそんなに元気でいられるものだと、忍足は尊敬すらしていた。
直に日差しを受ける為、球と太陽が被り目をやられる。外野手はそんな状況とも戦いながら練習に励む。
高々と打ち上げられた白い球が、白く光る太陽と重なるのをぼんやり眺めながら、その中に球の輪郭を見出だしながら、距離感を感じ取りながら、風の揺らぎを、かけられた声を、自然に動きだす足を、全てを取り込み計算しながら、忍足が、落下点でグラブを構えた。
真昼の炎天下、外野ノックは堪忍や、と、愚痴を零しながら。
『何処見て投げてんだアイツは……』
ふと跡部が目をやった先、必死に頭を下げる鳳の姿が目に入る。
本塁併殺。ホームゲッツーの練習をしていたらしい鳳が投げたボールが、見事バックネット、フェンスにめり込んでいる。
どれだけのノーコンで、どれだけの速さであの球を放ったのだろうか。
額に手をあてながら、跡部は盛大に溜息をついた。
課題は山積みである。
『跡部ぇー!宍戸が、宍戸がぁー!!』
『ジローてめぇ卑怯だぞ!跡部に頼るなよ!』
さらに頭を重くする声が聞こえ、それと一緒に背中に重みを感じ、跡部は本日何度目かの眩暈を感じる。
芥川が背中にべったりともたれかかっていた。
走塁練習、アウトだセーフだと、二人はどうやら揉めていたらしい。
たかが練習で揉めるなと言いたい跡部であったが、彼等にそれを言っても無駄であろう。
ガキと、負けず嫌いが揃ってしまっていては仕方ない。
『あぁ、うるせぇな…。この際どっちでもいいだろ、ジャンケンだ、ジャンケンで決めちまえ』
やれやれ、と、立ち上がる。
どうやらようやく樺地がバッティング練習を終えたらしい。
グラブと、硬球とを手に取り、跡部がゆっくりと歩きだす。
やや土の高くなったステージを踏みしめ、プレートにかかってしまった土を足で払う。
ただ一点、口を開けて待つ相棒のミットに、ただ一心、放り込めばいい。
力強く踏み込め!
あの一点へ、全力を!
乾いた音をたてて白球がそこにおさまる。痺れる程の重さで、目にも留まらぬ速さで、決して砕かれぬ鋭さで。
この球が、この夏、青い空を揺らす程の歓声を、沸き起こらせる。
『暑いよぉーあとべぇ…』
『馬鹿野郎くっつんじゃねぇ、余計暑いだろーが!』
夏休み、三年レギュラーで、学校のプールに入ることになった。
プールサイドの白いベンチに、長い脚を優雅に組んで座る跡部。
背中に張り付いてきた水着姿のジローに怒声をあげながら、プールではしゃぐ面々を眺める。
馬鹿なヤツ等、なにが楽しくて塩素まみれにならなければいけないのだ。
『跡部も入ろうよー、跡部見てるだけでも暑いよ』
じゃあ見るな、と、言い返そうとしたところで顔面に勢い良く水が飛んだ。
『はっはっ!跡部ッ、早く来いよー!』
帝王の逆鱗に触れたのは宍戸だ。
短くなった、尖った黒髪からぽろぽろと水滴が落ちる。
焼けた顔で笑ってみせる宍戸に対して、夏の陽射しの中に一際冷たい目が開かれる。
跡部が、ゆっくりと、わざとらしく感じる程にゆっくりと立ち上がった。
まるで似合わない安っぽいビーチサンダルを脱いでプールの際に立つ。
騒いでいた忍足と岳人も一旦動きを止めてそちらを見つめ、それから二人顔を見合わせて首を傾げる。
『なんやねん、どないしてん跡部様は…』
『さぁ、また何か派手なパフォーマンス見せてくれるんじゃねぇの?』
小さな声で笑い混じりに、茶化す様に馬鹿にする様に言う岳人であったが、冷たい青がこちらを射ぬいたのだからすぐに黙り込むしかなかった。
空の青ともプールの青ともまるで違う、青。
『沈めてやるぜ、覚悟しろテメェ等ァ!!』
どうやら宍戸は跡部のスイッチを入れてしまったようだ。
試合前のパフォーマンスよろしく、着ていたシャツを陽射しの中に高々と脱ぎ捨てる姿。
画になるのはこの男くらいである。
大きな音と一緒に大量の水が弾ける。
陽光に照らされ分解していく水飛沫はまさに夏そのものだ。
明るい青に飛び込んだ帝王は早速不届き者を沈めにかかる。
そして散る宝石の中に、続いてジローが舞う。
『さっすが跡部ー!よっしゃ俺もー!』
一気に騒がしさを増した青い巨大な水槽の中。
再び顔を見合わせた忍足と岳人も、騒がしさの中心にむかう。
沈め合いじゃれ合い声を上げ騒ぎ立てる。
構わない、分解された水はまた大きな青の中に帰ることができるのだから。
俺達だって何れ青の中に帰るのだ。
ずっと昔、まだ弱く脆かった小さな自分はこの青い目を心底憎んだ。
他とは違う目を刳り貫いてしまいたい程に。
しかし今は誇りにすら思う。空の青にも水の青にも似たこの色を。
青い世界に潜り込んだ中に、跡部は、
懐かしい記憶を、弱かった自分を、弾ける気泡を、渦巻く流れを、光を、声を、温かさを、自分の色を、見た。
『馬鹿野郎くっつんじゃねぇ、余計暑いだろーが!』
夏休み、三年レギュラーで、学校のプールに入ることになった。
プールサイドの白いベンチに、長い脚を優雅に組んで座る跡部。
背中に張り付いてきた水着姿のジローに怒声をあげながら、プールではしゃぐ面々を眺める。
馬鹿なヤツ等、なにが楽しくて塩素まみれにならなければいけないのだ。
『跡部も入ろうよー、跡部見てるだけでも暑いよ』
じゃあ見るな、と、言い返そうとしたところで顔面に勢い良く水が飛んだ。
『はっはっ!跡部ッ、早く来いよー!』
帝王の逆鱗に触れたのは宍戸だ。
短くなった、尖った黒髪からぽろぽろと水滴が落ちる。
焼けた顔で笑ってみせる宍戸に対して、夏の陽射しの中に一際冷たい目が開かれる。
跡部が、ゆっくりと、わざとらしく感じる程にゆっくりと立ち上がった。
まるで似合わない安っぽいビーチサンダルを脱いでプールの際に立つ。
騒いでいた忍足と岳人も一旦動きを止めてそちらを見つめ、それから二人顔を見合わせて首を傾げる。
『なんやねん、どないしてん跡部様は…』
『さぁ、また何か派手なパフォーマンス見せてくれるんじゃねぇの?』
小さな声で笑い混じりに、茶化す様に馬鹿にする様に言う岳人であったが、冷たい青がこちらを射ぬいたのだからすぐに黙り込むしかなかった。
空の青ともプールの青ともまるで違う、青。
『沈めてやるぜ、覚悟しろテメェ等ァ!!』
どうやら宍戸は跡部のスイッチを入れてしまったようだ。
試合前のパフォーマンスよろしく、着ていたシャツを陽射しの中に高々と脱ぎ捨てる姿。
画になるのはこの男くらいである。
大きな音と一緒に大量の水が弾ける。
陽光に照らされ分解していく水飛沫はまさに夏そのものだ。
明るい青に飛び込んだ帝王は早速不届き者を沈めにかかる。
そして散る宝石の中に、続いてジローが舞う。
『さっすが跡部ー!よっしゃ俺もー!』
一気に騒がしさを増した青い巨大な水槽の中。
再び顔を見合わせた忍足と岳人も、騒がしさの中心にむかう。
沈め合いじゃれ合い声を上げ騒ぎ立てる。
構わない、分解された水はまた大きな青の中に帰ることができるのだから。
俺達だって何れ青の中に帰るのだ。
ずっと昔、まだ弱く脆かった小さな自分はこの青い目を心底憎んだ。
他とは違う目を刳り貫いてしまいたい程に。
しかし今は誇りにすら思う。空の青にも水の青にも似たこの色を。
青い世界に潜り込んだ中に、跡部は、
懐かしい記憶を、弱かった自分を、弾ける気泡を、渦巻く流れを、光を、声を、温かさを、自分の色を、見た。
暴力注意
殺される、とか、ちょっと思うくらい……殴る、蹴る、あぁ、相次は正気じゃねぇ………。
【快感レッド!】
『ただいまー景吾。なん、いきなり睨むのやめてや恐いやん。ぶっ殺すで?』
あぁ、煩いのが帰ってきやがった。
楽しい楽しい、命懸けの同棲は、高校二年の冬から始まった。
三月。桜が何時開花するだなんだと世間は浮かれているが、俺は何時死ぬか殺されるかと、不安こそ最早諦めへと進化したが、自殺しようとも考えないが、とにかく暗い思考に支配されている。
卒業間近だというのに、言い換えれば大学への入学間近だというのに、俺の身体は痣だらけだ。
名誉、いやさプライド、自尊心は、さらに傷だらけ、だ。
そもそも忍足が普通でないことには初めから気付いていた。
ならば何故こうなってしまったかといえば、言い訳できまい、それは愛とか恋とか、甘ったるく、幸せに沸いちまった思考の産物なのだ。
付き合いだしてすぐ、忍足のこの性質は姿を現した。
初めて殴られた時はさすがにやり返した。二度目は、抵抗できなくなるまで痛め付けられた。
三度目は、嘲笑され、散々甚振られた。
しかしそれでも、離れられなかったのは、何故、か。
『風邪、ようなった?学校いけんとつまらんやろ。まぁ、もうすぐ卒業やけど』
傷から発熱、寝込んで数日学校には行っていない。
へらっと笑った顔を、今、殴ってやれたら、俺は死んでもいい。
いや、殺されるんじゃなかろうか。
あぁ、虫酸が走る。誰のせいだ、誰のせいで寝込んでいると、お前は。
『今なぁ、今…景吾を泣かしたら…俺な、それだけでイけそな気ィするわぁ…』
うっとり、と。とんでもないことを、言うのだ、この男は。
昨日の夜やってな、熱にうなされとる景吾めっちゃ美人やってんか…
アレ殴りたくてしゃあなかったん、我慢したんやで?
脇腹蹴って、顔面殴って、泣かしたろー泣かしたろーて、むっちゃ抑えるのん大変やったんやから。
なんて言って、胸座に手が掛かった。
目の前が、真っ赤に、染まっていった。
殺される、とか、ちょっと思うくらい……殴る、蹴る、あぁ、相次は正気じゃねぇ………。
【快感レッド!】
『ただいまー景吾。なん、いきなり睨むのやめてや恐いやん。ぶっ殺すで?』
あぁ、煩いのが帰ってきやがった。
楽しい楽しい、命懸けの同棲は、高校二年の冬から始まった。
三月。桜が何時開花するだなんだと世間は浮かれているが、俺は何時死ぬか殺されるかと、不安こそ最早諦めへと進化したが、自殺しようとも考えないが、とにかく暗い思考に支配されている。
卒業間近だというのに、言い換えれば大学への入学間近だというのに、俺の身体は痣だらけだ。
名誉、いやさプライド、自尊心は、さらに傷だらけ、だ。
そもそも忍足が普通でないことには初めから気付いていた。
ならば何故こうなってしまったかといえば、言い訳できまい、それは愛とか恋とか、甘ったるく、幸せに沸いちまった思考の産物なのだ。
付き合いだしてすぐ、忍足のこの性質は姿を現した。
初めて殴られた時はさすがにやり返した。二度目は、抵抗できなくなるまで痛め付けられた。
三度目は、嘲笑され、散々甚振られた。
しかしそれでも、離れられなかったのは、何故、か。
『風邪、ようなった?学校いけんとつまらんやろ。まぁ、もうすぐ卒業やけど』
傷から発熱、寝込んで数日学校には行っていない。
へらっと笑った顔を、今、殴ってやれたら、俺は死んでもいい。
いや、殺されるんじゃなかろうか。
あぁ、虫酸が走る。誰のせいだ、誰のせいで寝込んでいると、お前は。
『今なぁ、今…景吾を泣かしたら…俺な、それだけでイけそな気ィするわぁ…』
うっとり、と。とんでもないことを、言うのだ、この男は。
昨日の夜やってな、熱にうなされとる景吾めっちゃ美人やってんか…
アレ殴りたくてしゃあなかったん、我慢したんやで?
脇腹蹴って、顔面殴って、泣かしたろー泣かしたろーて、むっちゃ抑えるのん大変やったんやから。
なんて言って、胸座に手が掛かった。
目の前が、真っ赤に、染まっていった。
試合をする時の、あの幸せそうな顔をぼんやりと眺めてみる。あぁ、きれいだ。
まさか自分が男に目を奪われるなんて。忍足は心のなか舌打ちをする。
しかしアレは例外的に美しい。アレは、そう、自分の心を奪うために生まれたのだろう。
ならば奪われてしまえ、
骨の髄までお前のものだ。
【精神的:M】
『忍足…‥?』
一人暮らしのマンションの自室、白い壁と天井、白いシーツ、白い肌、頭の中も熱く熱く白む。
体を繋いだまま動かない俺に、跡部は挿入に苦しそうな表情を浮かべながら怪訝そうなそれを混じらせる。
寄せられた眉が綺麗だ。
なんとも言えない。
表情一つ一つに、一々目を奪われている。屈辱的な、しかしその中に感じる幸福。
無意識な支配を与えるこの男に、あらがうこともできずに、ただ、ただ、支配されている。
それを望んでいる。
『っ、あ、おし、た、り……お前…何かおかしい』
『好きや…跡部…好き…』
行為の最中にも拘らず、無駄に働く思考はなんとも愚かしい。次はこの思考まで支配してもらおう。
いきなり再開された律動。それに酷く戸惑う跡部に、支配を求める呪文を。
『あっ、あぁっ…忍足ィ……なぁ、どうした…?』
泣きながら問う表情に、あぁ、頭の中で何かが弾けて、たまらなくなって。
めちゃくちゃに、もっと、もっと、支配されたい。
『ひっ、あぁっ!やっ、めろ…お、おしたり…っ!』
動きを激しくすれば嬌声は白い壁や天井を跳ね返り俺に突き刺さる。
気持ちがいい。
肉体的に跡部を支配し、
精神的には支配を望む。
矛盾すら快感である。
『くっ!はっ…はぁッ…』
限界を迎えたペニスを支配者の体内からずるっと引き抜く。
顔の傍に膨らんだそれを寄せ、顔に、精液を、かける。
汚い汚い汚らしいその液体で、綺麗な綺麗な美しい君の顔を汚してみる。
支配を、もっと、支配を、怒って支配したらいい。
きっと、最高の笑顔を浮かべてしまっている。
愚かしい思考を、支配してくれ。
『綺麗や…あとべ…』
まさか自分が男に目を奪われるなんて。忍足は心のなか舌打ちをする。
しかしアレは例外的に美しい。アレは、そう、自分の心を奪うために生まれたのだろう。
ならば奪われてしまえ、
骨の髄までお前のものだ。
【精神的:M】
『忍足…‥?』
一人暮らしのマンションの自室、白い壁と天井、白いシーツ、白い肌、頭の中も熱く熱く白む。
体を繋いだまま動かない俺に、跡部は挿入に苦しそうな表情を浮かべながら怪訝そうなそれを混じらせる。
寄せられた眉が綺麗だ。
なんとも言えない。
表情一つ一つに、一々目を奪われている。屈辱的な、しかしその中に感じる幸福。
無意識な支配を与えるこの男に、あらがうこともできずに、ただ、ただ、支配されている。
それを望んでいる。
『っ、あ、おし、た、り……お前…何かおかしい』
『好きや…跡部…好き…』
行為の最中にも拘らず、無駄に働く思考はなんとも愚かしい。次はこの思考まで支配してもらおう。
いきなり再開された律動。それに酷く戸惑う跡部に、支配を求める呪文を。
『あっ、あぁっ…忍足ィ……なぁ、どうした…?』
泣きながら問う表情に、あぁ、頭の中で何かが弾けて、たまらなくなって。
めちゃくちゃに、もっと、もっと、支配されたい。
『ひっ、あぁっ!やっ、めろ…お、おしたり…っ!』
動きを激しくすれば嬌声は白い壁や天井を跳ね返り俺に突き刺さる。
気持ちがいい。
肉体的に跡部を支配し、
精神的には支配を望む。
矛盾すら快感である。
『くっ!はっ…はぁッ…』
限界を迎えたペニスを支配者の体内からずるっと引き抜く。
顔の傍に膨らんだそれを寄せ、顔に、精液を、かける。
汚い汚い汚らしいその液体で、綺麗な綺麗な美しい君の顔を汚してみる。
支配を、もっと、支配を、怒って支配したらいい。
きっと、最高の笑顔を浮かべてしまっている。
愚かしい思考を、支配してくれ。
『綺麗や…あとべ…』
