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古い小説から最近のまでおいてあります。
古いのはなんだか恥ずかしいのでいつ消すかわかりません。

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『お兄様、お兄様ー?』
可愛らしいドレスを身に纏った少女が長い廊下を駆ける。
お兄様…兄を探している様子だ。
『お兄様…もう、風邪ひきますよ!』
部屋へ入っていけば、雪の降る日だと言うのにお兄様と呼ばれた彼は窓を開け放って外を眺めている。
『あ、エリー…だって見てよ綺麗な雪だ』
少し耳に痛いくらい高い妹の声に振り向いた彼―フィリップ―は、穏やかな口調で返す。
それでも静かに窓を閉め、窓際を離れてエリーの元へ向かう。
『準備が出来たの?楽しみだな…母さんどんなご馳走作ってくれたんだろう』
妹の背にぽんと手を当ててからゆっくりと部屋を出る。
そう今夜はフィリップの誕生日パーティ、カノン家の人間は朝からせわしなく準備をしていたのだが、ようやくそれも終わり、妹のエリーがフィリップを呼びに来た、というわけだ。
『私ねお兄様のためにケーキを焼いたの!』
『ありがとう、嬉しいよ』
エリーの方がパーティを待ちきれない様子だ。
のんびりとした足取りのフィリップを急かすように服の裾を引く。
『フィリップ、誕生日おめでとう!』
家族、そして使用人達からの暖かい拍手。
フィリップは人の輪の真ん中で、少し擽ったそうにはにかむ。
カノン家は貴族の一家で、裕福な家庭であった。
フィリップにエリー、二人の子供にも恵まれ、幸せな生活を送っていた。
今夜、それが崩れるとも知らずに…。
『さぁお兄様、早くロウソクの火を消して?』
『少し待たないかエリー、フィリップがのんびり屋なのはわかっているだろ?』
父の冗談に細やかな笑いが溢れ、それはそれは幸せな誕生日パーティの風景。
フィリップが息を吸い込み、ケーキのロウソクを吹き消そうとした、その時だった。
『フィリップ・カノンへ告ぐ』
温度を持たない冷たい声。
その声が響いた途端、一つの窓が開き冷たい空気が部屋に入り込む。
部屋の中心には、銀髪の男が浮かんでいる。
『選ばれた少年よ、聖地グラナダを目指せ』
『貴様何者だ!』
突然の事態に父は声を張る。
壁にかかった猟銃を手に取ると、銃口を銀髪の男へ向ける。
『私は人間と光を支配する神、ノヴァ』
『神…?六神の一人、ノヴァだと言うのか…?』
その名に、その場に居る誰もが目を見開いた、勿論フィリップも。
『神様が…僕に何の用なんですか…?』
フィリップは一歩踏み出し、ノヴァを見上げる。
臆した様子も無く言葉を投げ掛ける姿に、ノヴァが口角を僅かに持ち上げた。
笑みを湛えた神のその表情に、使用人の一人が溜め息を漏らしたようだった。
『君は選ばれた少年なのだよ、フィリップ。私に、神に選ばれたたった一人の人間だ…。各地で魔物が暴走しているのは耳に入っているだろう。あれは六神の一人、魔物と闇の神デュオが原因だ…』
『各地の暴動の原因が神だと言うのですか?』
ノヴァは悲しげに頷く。
そして続けた。
『奴はもう止まらん、消す他無い…しかし我々神と神での争いはかたく禁じられている。そこで選ばれたのが…君だ』
君は神を消す力を持っている
誰もが耳を疑った。
誰も信じたくなかった。
『僕に…神を消す力が…?』
『だが今は未だ力は眠っている、聖地グラナダを目指せ、グラナダで力が解放される』
二人だけで進んでいく会話に、エリーの糸が切れた。
兄の元へ駆け寄り、その腕を強く強く掴む。
『どうしてお兄様なの?!どうしてお兄様が危険な事をしなくてはならないの?神さまだからって私のお兄様を連れて行かないで!』
泣き出しそうな顔だった。
ノヴァは宙からふわりと床へ降り、エリーの柔らかなハニーブロンドの髪を撫でる。
そして足元に方膝をついてみせた。
この世界で最も尊い存在である神が、たった一人の少女に頭を垂れた。
『君は幸せだなフィリップ』
『……、えぇ、妹にこんなに愛されて、神に選ばれこんな大きな使命を頂ける、光栄なことです…。だからエリー、泣かないで?』
碧い瞳からは大粒の涙。
同じ色の瞳で、フィリップはエリーを優しく見つめ返す。
ノヴァは立ち上がり、両親にも深く深く、頭を下げた。
少年に与えられた使命を、誰一人、拒否できなかった。
悲しい戦いの、始まり。
ぐだぐだ…orz
こういうお話って動き始めるまでがきつい。
ノヴァのセリフがモロに説明ばかりっていう(笑)
こっから理不尽にもフィリップ君は旅に出ます、えぇ初期ドラクエなみに理不尽に。
そしてこっからごろごろといろんなキャラが出てきます。
頑張るぞ。
可愛らしいドレスを身に纏った少女が長い廊下を駆ける。
お兄様…兄を探している様子だ。
『お兄様…もう、風邪ひきますよ!』
部屋へ入っていけば、雪の降る日だと言うのにお兄様と呼ばれた彼は窓を開け放って外を眺めている。
『あ、エリー…だって見てよ綺麗な雪だ』
少し耳に痛いくらい高い妹の声に振り向いた彼―フィリップ―は、穏やかな口調で返す。
それでも静かに窓を閉め、窓際を離れてエリーの元へ向かう。
『準備が出来たの?楽しみだな…母さんどんなご馳走作ってくれたんだろう』
妹の背にぽんと手を当ててからゆっくりと部屋を出る。
そう今夜はフィリップの誕生日パーティ、カノン家の人間は朝からせわしなく準備をしていたのだが、ようやくそれも終わり、妹のエリーがフィリップを呼びに来た、というわけだ。
『私ねお兄様のためにケーキを焼いたの!』
『ありがとう、嬉しいよ』
エリーの方がパーティを待ちきれない様子だ。
のんびりとした足取りのフィリップを急かすように服の裾を引く。
『フィリップ、誕生日おめでとう!』
家族、そして使用人達からの暖かい拍手。
フィリップは人の輪の真ん中で、少し擽ったそうにはにかむ。
カノン家は貴族の一家で、裕福な家庭であった。
フィリップにエリー、二人の子供にも恵まれ、幸せな生活を送っていた。
今夜、それが崩れるとも知らずに…。
『さぁお兄様、早くロウソクの火を消して?』
『少し待たないかエリー、フィリップがのんびり屋なのはわかっているだろ?』
父の冗談に細やかな笑いが溢れ、それはそれは幸せな誕生日パーティの風景。
フィリップが息を吸い込み、ケーキのロウソクを吹き消そうとした、その時だった。
『フィリップ・カノンへ告ぐ』
温度を持たない冷たい声。
その声が響いた途端、一つの窓が開き冷たい空気が部屋に入り込む。
部屋の中心には、銀髪の男が浮かんでいる。
『選ばれた少年よ、聖地グラナダを目指せ』
『貴様何者だ!』
突然の事態に父は声を張る。
壁にかかった猟銃を手に取ると、銃口を銀髪の男へ向ける。
『私は人間と光を支配する神、ノヴァ』
『神…?六神の一人、ノヴァだと言うのか…?』
その名に、その場に居る誰もが目を見開いた、勿論フィリップも。
『神様が…僕に何の用なんですか…?』
フィリップは一歩踏み出し、ノヴァを見上げる。
臆した様子も無く言葉を投げ掛ける姿に、ノヴァが口角を僅かに持ち上げた。
笑みを湛えた神のその表情に、使用人の一人が溜め息を漏らしたようだった。
『君は選ばれた少年なのだよ、フィリップ。私に、神に選ばれたたった一人の人間だ…。各地で魔物が暴走しているのは耳に入っているだろう。あれは六神の一人、魔物と闇の神デュオが原因だ…』
『各地の暴動の原因が神だと言うのですか?』
ノヴァは悲しげに頷く。
そして続けた。
『奴はもう止まらん、消す他無い…しかし我々神と神での争いはかたく禁じられている。そこで選ばれたのが…君だ』
君は神を消す力を持っている
誰もが耳を疑った。
誰も信じたくなかった。
『僕に…神を消す力が…?』
『だが今は未だ力は眠っている、聖地グラナダを目指せ、グラナダで力が解放される』
二人だけで進んでいく会話に、エリーの糸が切れた。
兄の元へ駆け寄り、その腕を強く強く掴む。
『どうしてお兄様なの?!どうしてお兄様が危険な事をしなくてはならないの?神さまだからって私のお兄様を連れて行かないで!』
泣き出しそうな顔だった。
ノヴァは宙からふわりと床へ降り、エリーの柔らかなハニーブロンドの髪を撫でる。
そして足元に方膝をついてみせた。
この世界で最も尊い存在である神が、たった一人の少女に頭を垂れた。
『君は幸せだなフィリップ』
『……、えぇ、妹にこんなに愛されて、神に選ばれこんな大きな使命を頂ける、光栄なことです…。だからエリー、泣かないで?』
碧い瞳からは大粒の涙。
同じ色の瞳で、フィリップはエリーを優しく見つめ返す。
ノヴァは立ち上がり、両親にも深く深く、頭を下げた。
少年に与えられた使命を、誰一人、拒否できなかった。
悲しい戦いの、始まり。
ぐだぐだ…orz
こういうお話って動き始めるまでがきつい。
ノヴァのセリフがモロに説明ばかりっていう(笑)
こっから理不尽にもフィリップ君は旅に出ます、えぇ初期ドラクエなみに理不尽に。
そしてこっからごろごろといろんなキャラが出てきます。
頑張るぞ。
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プロフィール
HN:
詩子
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/08/13
職業:
学生
趣味:
買い物・音楽鑑賞
自己紹介:
小説や日記、小ネタ等を投下していくヲタクなブログです。サイトの代わりに運営しているのでコメントやメッセージは大歓迎です。
リンクについては同人サイト様につきフリー。報告や連絡いただければそちらにも遊びにいきます♪
コメントするのが嫌だわ、というシャイなお嬢さんは(笑)
utagawa_hikaru☆hotmail.com
(☆を@に変えてくださいね)
こちらまでご連絡ください!
ジャンルはサイトをやっていた頃とほとんど変わりませんが…
テニス(忍受け、跡受けなど)
サガフロ(いろいろ)
もしかしたらアイシ(阿雲)
オリジ(気が向けば)
…こんな感じです。
同志様は是非仲良くしてください!
何かありましたらお気軽にご連絡を。
リンクについては同人サイト様につきフリー。報告や連絡いただければそちらにも遊びにいきます♪
コメントするのが嫌だわ、というシャイなお嬢さんは(笑)
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ジャンルはサイトをやっていた頃とほとんど変わりませんが…
テニス(忍受け、跡受けなど)
サガフロ(いろいろ)
もしかしたらアイシ(阿雲)
オリジ(気が向けば)
…こんな感じです。
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